御存知!”NWOBHM” BBC音源含む貴重音源名コンピレーション盤 「New Wave of British Heavy Metal/ ’79 Rivisited」二枚組 国内盤中古でございます。
盤共に非常に状態の良い中古でございますが、帯がございません。
内容は言わずもがな。
ラインナップは初期NWOBHMの名バンド揃い。
Iron Maiden/Diamond Head/Saxon/Def Leppard/Praying Mantis/Angel Witch/White Spirit/Samson/Weapon/Sweet Savage/Raven/Tygers of Pang Tang/Venom/Holocaust/AⅡZ/Vardis/
Sledgehammer/Gaskin/Trespass/Britzkrieg/Girlschool/Jagaur/Witchfinder General/Witchfynde/Fist/Hollow Ground/Paralex/Dragster/Black Axe
以上となります。
1974年に古典派British HR/HM及びProgressive Rock等アート/ロック系の頂点が訪れ、大作主義を中心とした大傑作が揃う事となります。
その裏で音楽性が嘗ての姿からかけ離れた事を感じ、異を唱える聴衆が現れる事となります。
(かのRobert Plant曰く「バンドがどんどん大きくなっていく。そしてファンが「ヘイ、付いていけないぜ!」と。それの繰り返しだ......」と....)
その中で六十年代中期のビート系ポップスやグラム/ロック系、米国の”New York Dolls”や社会派”Ramones”の音楽性を基にした音楽性や現代アート系が絡む奇妙なロックバンドがアンダーグラウンドに登場。
徐々に人気を博していく事となります。
”Punk/New wave”の登場でございます。
1974年を境に古典派HR/HMやProgressive Rock等の名バンドが活動停止や作品のインターヴァルが長くなる中で、
行き詰まった英国社会や大衆の閉塞感を基に不満をぶちまける歌詞やシンプルな音楽性や現代アートの合理性を基とするポピュラー系の音楽性が共感を呼び、
規模が大きくなり過ぎそして現実とかけ離れた音楽性と見做した古典派HR/HM系やProgressive Rock等々に対して拒絶を示す事となります。
かの”EMI”が興味を示し契約したものの歌詞の過激さで解除したかの”Sex Pistols”を「火中の栗を拾いに来る」事で知られた新興レーベル”Virgin”(と言うかかのリチャード・ブランソン)が獲得。
そして驚愕の大成功を収める事となります。
また英国音楽メディアも古典派アート系ロックに対して”Old Wave”とレッテルを貼り、新たな音楽ムーヴメント”Punk/New Wave”を擁護し盛り立てていく事となります。
その中、成功を収めていたバンドは米国進出を狙い本拠地を米国へ移行。急激に古典派ロック系は衰退していく事となります........................
されど、天才名手全盛期Michael Schenker擁する”U.F.O.”や八十年代以降のHMの音楽的基礎となったかの”Judas Priest”等、オーストラリアからもかの”AC/DC”が英国に登場。
米国にも進出し徐々に成功を収めていく事となり、また英国でのライヴも盛況。
またHR/HM系不定期開催Disco Clubが音楽シーンに反して盛況を博して参ります。
その中で「無ければ自分たちで作る」という英国気質の中から、パンクを参考にしながら新たなHR/HM系新バンドがアンダーグラウンドに多々登場。
そして”Punk/New Wave”の自主制作活動に注目。そのやり方を踏襲またファンジンやHR/HM系Disco Clubと連携し、活動を広げていく事となります..........
その流れの中で、Deep Purple解雇後実業家の道を歩み紆余曲折の末に音楽シーンに戻ってきたIan Gillan。
ブリティッシュ・クロスオーヴァー系の音楽性にハード・ロック色を加えた”Ian Gillan Band”を結成。傑作二作とライヴ盤を制作するものの、芳しい活動ではなく、バンドは解体。
HR/HM回帰を図りバンドを解体、新たに”Gillan”を結成する事となります。
日本の東芝EMI”East Wind”レーベルの援助で”Gillan”(通称”Japanese Album”)を制作するものの、母国英国シーンは無関心。忸怩たる思いを噛み締める事となります。
されど、ここでかの「火中の栗を拾いに来るレーベル」”Virgin”(と言うかリチャード・ブランソン)が登場。
逆輸入盤の好調振りと前述の状況を鑑み、「聴衆はHR/HMが聴きたかろう」と”Gillan”にアプローチする事となります。
(誰も見向きもしなかったかのMike Oldfieldの為に”Virgin”を設立し通販から開始。映画サントラ起用後のその大成功後は皆が恐れを為した”Sex Pistols”と契約。
後には業界の大物に干された”名手Gary Moore”、そして英国含めた宗教文化的に相当な難があった”Culture Club”等々................
「火中の栗を拾いに来る」珍しいレーベルでございます............かの”Backdoor”も?)
但し、契約に当たり「Punk/New Waveにもアピール出来る音楽性を!」という条件を出した感が有り、Ian Gillanは再びバンドを解体。
Punkシーンで評価が高かったJimi Hendrixルーツの名手故Bernie Torme、荒々しいリズムを叩き出す名手Ian Underwood(ex-Peace)をスカウト。
(この”Bernie Torme Band”。他には後にMike OldfieldやかのGTRに参加するPhil Spalding、後にSaxonや幻の第二期GTR参加のNigel Grockerが在籍という驚きのラインナップでございます............)
日本のみ発売作”Gillan”(通称”The Japanese Album”)の楽曲を再アレンジ、新曲を追加。新ラインナップにて再度録音制作。
”Mr.Universe”としてリリース、英国で結構な成功を収める事となります。
正直「ロートル」扱いであった当時のIan Gillanをかの”Virgin”(と言うかリチャード・ブランソン)が契約した(後に成功を収めた)事で衝撃が走り、
音楽シーンが色めき立ち、「商売になる!」と踏んだプロモーター含めたビジネス側がHR/HMに注目。
自主制作で活動を広げていたバンドにアプローチしていく事となります。
そしてそもそもHR/HMに好意的であった一部の音楽メディアは「Old Wave」と嘗て蔑まれた事を逆手に取り、「New Wave of British Heavy Metal」と盛り上がりつつあったこの音楽ムーヴメントを命名。
1979年New Wave of British Heavy Metalを象徴する代表的名バンド”Iron Maiden”が自主制作EPで登場、新時代到来とシーンに衝撃が走ります。
これを象徴として時代はNWOBHMに本格的に突入していく事となります.............................
さて、今作。
「’79 Rivisited」がミソでございます。
NWOBHMと言えど様々な解釈がございますが、1978~1984年辺りのムーヴメントの感がございます。
七十年代中期に登場し、NWOBHMの恩恵を受けた”Magnum””Quartz”やHM/HRルーツ的なバンドでメンバー交代を経て再登場した”Budgie”。
シーンのボス感があった”Motorhead”やキャリア組が結成の”Wild Horses”。
その黄金期”Motorhead”配下で登場した名バンド”Tank”。
初期と後期では音楽性が異なり、”NWOBHMハード系”~洗練ポピュラー系へと変化する名手Dennis Stratton(ex-Iron Maiden)率いる名バンド”Lionheart”(近年再結成し、第二弾新作が発売)。
そしてNWOBHMのポピュラー面を担った感のある”Grand Prix”や”Stampede”、”Emerson”、似た時期に登場した”Pomp Rock Movement”に絡む感がある名バンド”Limelight”等々。
また後期・末期に登場した”Ebony Records”の名バンド”Grim Reaper””Savage”、そしてポピュラー面たる”Shy”等々が含まれていない事がミソでございます。
また、今作制作時に入手し易かったバンドは外されている事もミソ。
”Ebony Records”関連は後に米国で勃興する”Thrush Metal Movement”に繋がる感がございますが、NWOBHM勃興当時のミュージシャン曰くは「別のムーヴメント」との事。
また音楽的に洗練されていた”Magnum”等はNWOBHM勃興以前のバンドやキャリアを持つもの。
それらを考慮した上で勃興当時NWOBHM独特のアマチュア的で勢いのある音楽性を重視した感が有り、そこが基準という感がございます..............................
(後は監修者のLars Ulrich(Metallica)の当時の趣味も客観性を伴いつつ加えられておりますが.............)
皆安普請制作で演奏力と音楽性の有り方、音質が如何に当時のアンダーグラウンドを象徴しているか?が分かるものでございます。
「NWOBHM」とは申しますが、象徴する代表的バンドの音楽性や監修者Lars Ulrich在籍のMetallicaに象徴される”Thrush Metal Movement”に繋がる音楽性のみならず、
様々な音楽性を有していた事が分かるもの。
監修者Lars Ulrichの(好みと趣味が反映されてはおりますが......)見事な客観性を伴う選択となっております...................
また、オリジナル・マスターテープの紛失やら権利関係の問題からBBC録音で後に公式作品化された音源を用いたものや、
ミュージシャン側からのアドヴァイスで用いた(未公開含む)音源が含まれている事が興味深いものでございます。
(但し、”Def Leppard”に関してはテープ速度を間違えて収録した模様。メンバーが呆れ返っていたとか............何かねぇ....................)
現在では入手困難のみならず、権利関係の面倒さを含め再発は厳しい模様...................
(活動が比較的長く割と名が知られたバンドは日本等の再販含めたレーベルが非常な頑張りを見せ音質向上の上に入手可能となっておりますが、シングル盤リリースのみのものは非常に厳しい模様..................)
この機会に是非。
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