〇SACDは廃盤
※SACDシングル層のため、CDプレーヤーでは再生不可
※購入から年月を経過しているがクリーンな環境で大切に保管してきたもので、再生も4、5回の美品
この演奏は、宇野先生が実演に接し、青白い炎という表現で屈指の名演と評していたものだが、肝心のCDは実演の音がとらえきれておらず、実演のすごみが伝わらないと酷評されていた。しかし、その数か月後に、ソニーからSACD化され、CDとは比較にならないほど音質が向上したものの、期間限定で発売されたため、すでに廃盤となっている。
参考
宇野氏による当時の演奏批評より一部を引用
「・・・インマゼールが初来日した99年にすみだトリニティホールで耳にした不思議な感動を僕は終生忘れることが出来ないであろう。・・・彼はスコアをなんの色付けもなく、そのまま音化することに全力を傾けていた。・・・インマゼールは、私的な人間感情を一切加えない。新しい主題の登場でさえ無表情を押し通す。・・・どんなに美しいメロディが出て来ようとも決して歌おうとしない。・・・完全なノン・ヴィブラート奏法。弱音の旋律はこれっぽっちの抑揚もなく、冷たいピアニッシモで空中に漂うのみ。要するにロマン派以降の名演奏に不可欠な歌やエスプレッシーボ、感情込めなどをすべて排除し、その結果、シューベルトやベートーヴェンの天才の筆の跡が素のままの姿で立ち現われる。その神秘なまでの美しさはかつて耳にしたことも想像したことさえない「信じられない世界」で・・・過去の美学を覆してしまったインマゼールは只者ではない。・・・」
ベートーヴェン:『運命』、『田園』(1999年東京ライヴ)
インマゼール&アニマ・エテルナ
厳格な時代考証に基づく清新な解釈で、新しいベートーヴェン像を構築。
戦後世代ベルギーの古楽演奏家、ジョス・ヴァン・インマゼールがみずから結成したオリジナル楽器オーケストラ「アニマ・エテルナ」を率いて来日した際に録音した、ベートーヴェン中期の有名交響曲2作。厳格な時代考証に基づく作品研究には定評があり、楽器の特性を生かした清新な解釈で、名曲の本質に大胆に迫り、従来のベートーヴェン演奏とは一線を画す、鮮烈な世界を構築しています。(SONY)
【収録情報】
ベートーヴェン:
● 交響曲第5番ハ短調 op.67『運命』
● 交響曲第6番ヘ長調 op.68『田園』
アニマ・エテルナ
ジョス・ヴァン・インマゼール(指揮)
録音時期:1999年10月18-20日
録音場所:東京、すみだトリフォニーホール
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)
VARIOUS ARTISTS (CLASSIC) HAYDN: SYMPHONIES 93-95&98/MOZART: SYMPHONY NO.25 ETC (2SACD/LTD)