【詳細】
初版 小説 恐怖新聞 原作つのだじろう 著 大石圭 誠文堂新光社刊
2019年7月26日初版 誠文堂新光社発行
「平成」の時代、日本では数多くのホラー映画が制作され、「Jホラー」と呼ばれたそれらは大きなブームを巻き起こしました。
そのさらに20年以上前、「昭和」の時代にもUFOや超能力、そして心霊現象など、やはり人々の「不可解なものへの畏怖」を刺激するエンタテインメント、「オカルトブーム」がありました。
その、2度の「恐怖」ブームのどちらにも深く関わりを持つ作品が、つのだじろう氏の傑作オカルトホラーコミック『恐怖新聞』です。
「オカルトブーム」ではその中核を成すコミック作品として人気を博し、「Jホラーブーム」では原案・原作として『予言』のタイトルで映画が制作されました。
そして始まったこの「令和」の時代に、『恐怖新聞』が小説として新たな命を吹き込まれます。
執筆には、流麗な文体でグロテスクな恐怖を描く数々のホラー小説で人気を博す大石圭氏を迎え、死を予言する異様な新聞に、不運にも魅入られてしまった美しき女子大生の体験する恐怖として、再構築された『恐怖新聞』の世界。
新しい時代の最初の「恐怖」を、あなたにお届けいたします。
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生まれ故郷の新潟を離れ、都内の大学に通う女子大生・桜子。
二年の春を迎え、ボーイフレンドの孝二郎と過ごすはじめてのゴールデン・ウィークを前に、浮き立つ気持ちを押さえられずにいた。
しかし、その夜――。
日付けが変わると共に、桜子が暮らす地上十一階の部屋の窓から、突然飛び込んできた「新聞」。
そしてそこに書かれた孝二郎の事故死を報せる記事。
慌ててかけた電話からはいつもと変わらぬ孝二郎の元気な声を聞けはしても、まんじりともしないまま朝を迎えた桜子は、着の身着のままで孝二郎の家へ向かう。
すでにアルバイト先に向かったあとだった彼を追った桜子を待っていたものは、悲しくも恐ろしい運命だった。
そのうえそれは、桜子を苛む恐怖のほんの始まりに過ぎなかったのだ……。
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死を予言し恐怖を伝える新聞に魅入られた、美しき女子大生の運命を描く物語として、オカルトホラーの傑作『恐怖新聞』がいま蘇る!
■目次
プロローグ
第一章〜第七章
エピローグ
あとがき
つのだじろう
1936年東京都生まれ。高校在学中より漫画家の島田啓三氏に師事を受け、1955年『新桃太郎』でデビュー。
1958年の『ルミちゃん教室』や、1962年第2回講談社児童まんが賞を受賞した『ばら色の海』など少女マンガで人気を博したのち、少年マンガ誌にペーソスあふれるギャグマンガを次々連載し、なかでも『忍者あわて丸』は『ピュンピュン丸』のタイトルでテレビアニメ化もされた。
1971年より始まった『空手バカ一代』が絶大な人気を集め、劇画調の作風を強めていく中で、デビュー当時のUFO目撃体験をきっかけに研究を続けていたオカルト知識を生かし、1973年に『恐怖新聞』『うしろの百太郎』といったオカルトテーマの作品を立て続けに大ヒットさせ、一大ブームを巻き起こす。
以降オカルトホラーコミックの第一人者として精力的に発表を続ける一方で、本格将棋マンガ『5五の龍』や、『銀座花族』(『虹子の冒険』として連続ドラマ化)など大人の女性を主人公に据えた作品など、幅広い作風で支持を集め続けた。
作品にも生かされた将棋をはじめ、スキー、書道、空手、剣道、浮世絵春画収集など多趣味なことでも知られる。
大石圭
1961年東京都生まれ。法政大学文学部卒業後、企業勤務を経て1993年に『履き忘れたもう片方の靴』で第30回文藝賞佳作を受賞、同作で翌年デビュー。
以降、『アンダー・ユア・ベッド』『湘南人肉医』『檻の中の少女』『甘い鞭』など数々の作品を発表。
エンタテインメント性の高い作品は数多くの映像化も行われ、2019年春にも『殺人鬼を飼う女』が公開。
また『呪怨』シリーズなど、映画作品のノベライズも好評を博している。
近著に『モニター越しの飼育』(角川ホラー文庫)、『奴隷商人サラサ ~生き人形が見た夢~』(光文社文庫)など。
【状態】
経年劣化により若干の焼け、カバーにスレ、傷は御座いますが、概ね良好です