自宅保管の品です。大変美品ですが、古いもので表紙や帯など経年変化はございます。ご理解頂ける方にご検討をお願い申し上げます。
庶民の側に立った社会部記者として闘い抜き、ナベツネ体制と真っ向からぶつかった魂のジャーナリスト・黒田清。鋭くも温かい眼差しを厖大な取材と証言でたどる唯一の評伝。解説:伊集院静/吉永みち子。
読売新聞大阪本社社会部長として最強の社会部記者集団「黒田軍団」を縦横に動かし、次々に特ダネをつかんだ黒田清。だが戦争と差別を徹底的に憎むその編集方針が、右寄りに傾いた東京本社の方針と合わなくなり退社。黒田は、大阪発のミニコミという新しいジャーナリズムの在り方に挑戦する。伝説のジャーナリストの生涯を追う、唯一の評伝。
播種―誕生から読売受験まで(昭和6~27年)
羽化―読売入社からサツ回り卒業まで(昭和27~30年)
怒涛―遊軍から結婚、暴力追放キャンペーンまで(昭和30~33年)
挫折―遊軍中堅から二度の海外出張まで(昭和33~40年)
邂逅―山陽特殊製鋼連載から社会部次長就任まで(昭和40~45年)
覚醒―社会部次長就任から『戦争展』開始まで(昭和45~52年)
飛翔―読売発行部数日本一から社会部長末期まで(昭和53~58年)
悲憤―ポーランドの『戦争展』から読売退社まで(昭和59~62年)
開幕―黒田ジャーナル発足から昭和の終わりへ(昭和62~63年)
奔流―平成から読売憲法改正試案発表まで(平成元~7年)
激動―阪神・淡路大震災から少年Aの事件まで(平成7~9年)
病魔―すい臓ガンの手術から肝臓にガン再発直前まで(平成9~11年)
断筆―ガン再発から最期まで(平成12年1~7月)
レビューより
伝説の新聞記者黒田清氏の生き様と価値観を、エピソードと関係者の証言を丁寧に収集しながら、ありのままを伝えた労作。
『何が正義で何が正しいか』をとやかく言う前に黒田の言う『誰が悲しみ、誰が苦しんでいるのか』という体温のある視座が大切なんだな。
庶民宰相という言葉あったが、黒田さんは正に「庶民派ジャーナリスト」。ごく普通に生きている市井の人々の暮らしの中に視点を置く。はっきり言って役所や警察の発表を追う取材なら誰でも出来る。黒田さんのように自分でニュースを探し、世に出し、人々に勇気を与えるような記者に私もなりたい。1人でも多くの現役記者に読んでほしい。