ベネルクス三国として有名なオランダ、ベルギー、ルクセンブルグ3カ国の各国から4種類の勲章、
しかも全て一等グランドクロス級の物が組み合わさった、極めて珍しいハイブリッドの略綬です。
直径は約12mmと日本の平成15年の栄転制度改定以前の大きな略綬とほぼ同等のサイズです。
後述しますが、組み合わされている勲章の種類と等級から考えて、新しい時代の物であった場合
オランダの皇太子級、ベルギーの皇太子級もしくは同等の軍人の王族と考えられ、
1980年以前の物であればオランダかベルギーの大将クラスの軍人の物であると考えられます。
含まれている4種の勲章は以下の通り
・ベルギー レオポルド勲章
同国最古にして最高位の勲章で、一等大綬章に関しては日本で言う菊花章のような位置付けで、
二等以下に関しては日本で言う旭日章の上位版すなわち桐花章に二~八等があるような物として運用されています。
国家に対する著しい功績に対して授与されており、その中でも一等については頸飾勲章の無いベルギーでは
菊花章のような運用をされており儀礼叙勲では一等は国王夫妻と皇太子、
もしくは大統領などに限られる特別な物です。
マゼンタという非常に鮮やかな赤紫、もしくは紫のリボンが特徴です。
・ベルギー 王冠勲章
同国第二位の勲章として位置づけられており、国家に対する功績の中でも主に公務に於ける功績や
文化芸術方面での功績にに対して授与され
日本の旭日章・瑞宝章の両面を含んだ間隔の物です。一等に関しては、外交では首相や皇太子以下の王皇族、
大将級の軍人に対して授与されます。えんじ色に近いワインレッドのリボンが特徴です。
・オランダ ネーデルランドライオン勲章
同国に於いては最も歴史ある勲章で以前は幅広い運用をされていましたが、
現在では国王を騎士団長として王室メンバーのみが一等を授与され、それ以外では
芸術、科学、スポーツ、文学等での功績に限り運用されており、特別な勲章という感覚があるようです。
国内の叙勲でも大抵は下位のオラニエ・ナッサウ勲章です。
外交での儀礼叙勲でも国王夫妻、大統領にしか贈られない特別な勲章です。
やや濃いめの水色に黄色の双線が入ったリボンが特徴です。
・ルクセンブルグ オーククラウン勲章
同国第三位の勲章ですが、ルクセンブルグの最高勲章であるナッサウ・ライオン勲章がオランダと同国の
2つの国で運用されているため、時によっては第二位の勲章としても運用されます。
かつてオランダと連合君主であった時代には国王独自の判断で叙勲でき、主にオランダとルクセンブルグ
両国で、イギリスのロイヤルヴィクトリアン勲章のように運用されていましたが
現在ではルクセンブルグ単独の国家に対する功績への勲章として、同国民を対象に授与されています。
黄色に深緑の線が3本入った、世界中どの勲章にも似たものが無い非常にユニークな柄のリボンが特徴です。
コンディションは大変良好です。
大変珍しいものと思いますのでこの機会にいかがでしょうか。