日本語字幕付き
DVD
廃盤
モンテヴェルディ:
歌劇「ウリッセの帰還」(伊語歌詞)
カサロヴァ、
ヘンシェル、
カウフマン、ほか
ニコラウス・アーノンクール指揮
クラウス=ミヒャエル・グリューバー演出
シンティッラ管弦楽団(チューリヒ歌劇場より)
ホメロスの叙事詩「オデュッセイア」の 第13~23巻に基づく、モンテヴェルディ(1567-1643)のオデュッセウス歌劇の存在は、240年の間知られていませんでした。歌劇の発見からまもなく、ルネサンスからバロック時代への発端となる重要な作品として賞賛されることになりました。
指揮者のアーノンクールは様々な資料より、時代に忠実な器楽編成についての理論を展開しています。1970年代、チューリヒ歌劇場においてモンテヴェルディ・チクルスで大成功を収めたこの歌劇は、ジャン=ピエール・ポネルによる独創性に富んだ演出を見せました。この上演作品では、ピッコロ・テアトロで演出家ストレーレルに師事し、カラックス監督による映画「ポンヌフの恋人」などで素晴らしい演技を披露しているグリューバーが演出を担当しています。現在を代表する最も優れた歌手カサロヴァとヘンシェルがこの作品を忘れられないものにしています。
アーノンクール/モンテヴェルディ:歌劇《ウリッセの帰還》ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』に登場するオデュッセウス(伊名ウリッセ。英名はユリシーズ)に材をとる《ウリッセの帰還》は、モンテヴェルディの残存する数少ない上演可能な作品のひとつ。
トロイ戦争の英雄、ウリッセが故郷へ帰還する途中の苦難を克服し、彼の帰りを待ちわびる妻・ペネーロペと再会を果たす物語です。アーノンクールはやはりチューリヒでポネル演出の記念碑的な上演を果たしていますが(1980年映像収録)、今回は演出にクラウス=ミヒャエル・グリューバーを迎えています。わかりやすい象徴的手法を採ったシンプルながらも独特の統一感を持つ装置は、心理劇としての側面にも目を向けるものといえましょう。
2002年チューリヒ歌劇場での収録。
アーノンクールの音楽づくりは充実の極みで、古楽器の響きが存分に楽しめる上、十全な歌唱陣共々、最上の演奏を聴かせてくれます。
ディートリッヒ・ヘンシェルは歌唱・姿形揃う傑出したウリッセ。第1幕大詰めでウリッセが息子・テレーマコと真実の再会を果たす場面は胸に迫るものがあります。
また、黒衣に身をやつし、夫の帰還を待つ貞淑な妻を、感情を込めつつも抑制された演技で見事に表現するヴェッセリーナ・カサロヴァの歌唱が素晴らしいのはもちろんですが、対照をなす侍女メラントを演じるマリン・ハルテリウスの開放的で涼やかな好演も印象的。夫の帰還が信じ切れない妻へウリッセが切々と語り聞かせペネーロペの心を開いていく終盤では、モンテヴェルディの哀歓のこもった音楽、カサロヴァやヘンシェルたちの歌唱、表情、つつましい演技が一体となり、幸福な大団円を演出する心に残る幕切れとなっています。
日本語字幕付き155分。
イタリア語歌詞を字幕で参照することも可能です。
ヴェッセリーナ・カサロヴァ / ディートリヒ・ヘンシェル /
イザベル・レイ / マリン・ハルテリウス / マルティナ・ヤンコヴァー / コルネリア・カリッシュ /
ヨナス・カウフマン / ルドルフ・シャシング / ラインハルト・マイアー / マルティン・ツィセット / トーマス・モール / マルティン・オロー /
パヴェル・ダニルク / ジュゼッペ・スコルシン / アントン・シャリンガー / ボグスワフ・ビジンスキ /
シンティッラ管弦楽団(チューリヒ歌劇場)
ニコラウス・アーノンクール指揮 /
クラウス=ミヒャエル・グリューバー演出
2002年、チューリヒ歌劇場で収録 /
日本語・英・伊・仏・西・字幕付き /
16:9 / PCMステレオ/ドルビー・デジタル5.1 / 片面二層ディスク(DVD9) /
155分
国内仕様盤、帯付き
解説付き
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モンテヴェルディ:歌劇 「ウリッセの帰還」 アーノンクール