2018年初版1刷。
中古。表紙裏表紙に若干の擦れ傷手垢汚れあり。他に書き込みや目立つ汚れなど無し(出品前に一通り確認していますが、見逃しがございましたらご容赦下さい)。。
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出版社紹介文
仙台藩士・富田鐵之助は勝海舟の息子・小鹿らと北米へ留学。後に日銀総裁、東京府知事となる富田を中心に、幕末維新の留学体験を探る。
本書は本編四部から構成されている。
第1部では、海舟日記を通して、海舟の長男・小鹿と後見人として渡米した富田鐵之助や高木三郎の渡航までの状況を確認する。さらに、富田と高木は、戊辰戦争時に国元の戦況を心配し、小鹿の世話を横井左平太・大平兄弟(横井小楠の甥)に託して、緊急一時帰国する。こうしたことから、戊辰戦争時の仙台藩の状況を富田鐵之助の視点から探求する。
第2部は、幕末維新のアメリカ留学費用について考察するとともに、海舟の尽力により、小鹿・富田・高木の三人が、明治政府から(第二陣として)学資を給付されたことから、海外留学に対する学資給付の政策的決定過程を考察する。
第3部は、本書のコア部分である。富田鐵之助のアメリカにおける人的交流を中心に考察する。第一に、アメリカ・プロテスタンティズムの日本宣教活動を考察し、留学生を受け入れるアメリカ側の状況を確認するとともに、キリスト教会がアメリカ社会との最初の窓口になったことを確認する。第二に、小鹿富田高木は、横井兄弟、福井藩の日下部太郎、薩摩藩の吉田清成・畠山義成・松村淳蔵とともに、ニュージャージー州ニューブランズウィックに居住したことから、その交流の様子や別離を述べるとともに、戊辰戦争の一時帰国に際し、小鹿を託した横井兄弟と海舟との関係を確認する。第三に、富田とオランダ改革派教会のコーウィン牧師との関係、および富田が学んだビジネスカレッジの校長ホイットニーとの関係について論考する。第四に、明治政府の海外留学振興策によって、アメリカの日本人留学生が大幅に増えることから、この状況を把握するとともに、海舟日記からこれを確認する。最後に、富田は、「岩倉使節団」からニューヨーク領事心得」に任じられ、その留学生活が終わるが、これについて紹介する。
第4部は、富田のアメリカ留学の成果について紹介する。富田は朝敵である奥羽越の出身であるにもかかわらず、ニューヨーク領事心得から副領事に昇格することから、最初に副領事としての業績を紹介する。明治六年に「海外留学生規則」等を規定した「学制ニ編」が布達された。伊藤博文岩倉使節団副使らから出された意見提案を、文部省が検討・取捨選択し、成文化したものである。富田も、多数の意見・提案を行い、規則として採択されたのである。長期にわたりアメリカ留学生活を送った富田の経験が生かされたのである。第二の留学の成果は、杉田玄白の曾孫の杉田縫との結婚である。結婚式は、両人と仲人役の福沢諭吉と立会人の森有鱧の四人が婚姻契約書に署名するかたちで行われた。これは、留学経験が富田の人的資産の形成に寄与したことによる波及効果であろう。第三の成果は、一橋大学の前身の教育機関「商法講習所」に、富田が自ら学んだビジネスカレッジの校長ホイットニーを招いたことである。ホイットニーの来日がなければ、商法講習所は設立されることはなかったのである。
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梱包について
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もくじ
第1部 富田鐵之助のアメリカ留学と戊辰戦争
第1章 海舟日記と富田鐵之助のアメリカ留学
第2章 戊辰戦争と仙台藩
第2部 アメリカ留学の政治経済学
第1章 海舟日記
第2章 アメリカ留学の経済学
第3章 学資給付の政治経済学
第3部 アメリカ留学事始
第1章 アメリカ・プロテスタンティズムと日本での宣教拡大活動
第2章 ニュージャージー州ニューブランズウィック
第3章 ニュージャージー州ミルストーン
第4章 海外留学推進政策と新たなアメリカ留学者
第5章 ブライアント・ストラットン・アンド・ホイットニー・ビジネス・カレッジ
第6章 海舟日記に見るアメリカ留学生
第7章 海舟日記に見る留学関連の国内状況
第8章 岩倉使節団と官費留学規則取調
第4部 その後の富田鐵之助ーー副領事就任と結婚と商法講習所
第1章 ニューヨーク領事館とワシントン公使館
第2章 海舟日記
第3章 富田鐵之助の結婚
第4章 商法講習所の誕生
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