まるで妖艶な淑女のようなパイプでございます どちら様かこの淑女のお世話を引き継いで下さる方はいらっしゃいませんでしょうか?
妖艶な淑女のようなパイプのお世話を引き継いで下さる方を探しております。
このパイプの出自は不明です
長さ136.2mm 重量76.8g 花弁長さ72.1mm 巾45.3mm
マウスピースはエボナイトのようです。
昭和の作家.翻訳家でもあった巨匠澁澤龍彦氏の小文【パイプ礼讃】の中で、こんな一文があります。
(もし中世の錬金術師が夢想したように、火が一切の生命の原理、精液の原理であるとするならば、その火を内部に蔵したパイプは、まさしく子宮でなければならぬであろう。)
(私には、ダンディーな男がアクセサリーとして手の中に握っているパイプのボウルが、どうしても燃える小さな子宮のシンボルのように思われて仕方がないのである。)
まさに今回、出展させて頂いているパイプはこの一文そのもののように思います。
私の稚拙な写真と説明文が、どなた様かの心の琴線に触れ、このパイプのお世話を引き継いでも良いと仰って下さる方に、この淑女をお譲り出来たらと思う次第です。
最後にボードレールの詩集【悪の華】にパイプと云う十四行詩があります。
ここに引用させて頂きます、、
あたしはパイプ。ある物書きの持ちものなの。
あたしはあの方の魂をくるみこんで、かわいがってあげるの、
熱いあたしの口から湧きあがる、少しもじっとしていない青い網の目のなかに。
そしてあたしはきつい匂いをゆさぶりかき立て、
あの方の心をうっとりさせて、あの方の疲れた神経をなぐさめる、
お楽しみの相手になってあげます。、、
パイプとは、単なる喫煙具ではない、そんな不思議な伴侶であると私は思うのです。
どうぞ良いご縁が御座いますように、、
【追記】長年、パイプを愛用しておりますが、このような妖艶な雰囲気を醸し出しているパイプは初めてでした。火を入れずとも、何時までも触れていたい、眺めていたいと思えるような佇まいです。
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