まずこれを持ってして、こんなにもJAZZ・FUSION系のソースが楽しめるハンダは、そんじょそこらに滅多にあるモノではありません。類い希なる「くっきり」した明瞭な音質を持つにもかかわらず、更に加えてとてもスイートといいましょうか、甘味な音色を生みだすこのハンダならではの個性が 実にたまらない魅力なのです。すべての楽器が積極的に「歌う」方向に・・・これは驚きと同時に嬉しさがこみ上げます。

Pat Metheny・・・本当にうまく鳴りますね。もちろん彼の音楽の最大の売りとなるフルアコギターの甘く伸びやかなトーンに関しては、色気の塊（実は彼のギターは普段わたくしにはそうは聞こえないのですが）の存在感へと変貌し、Delay・Echo感も あきらかに深みを帯びます。音色自体も太くレンジも広くなりました。ということはですよ・・・これ、フルアコ・セミアコ・ガット系ピエゾなどの楽器用の内部接合にはドンピシャだということに気がつく方もいらっしゃるのではないかと思います。そして、更にそれだけではありません。WoodBassの音像が非常によく浮かび上がり輪郭のクリアさとともに実に朗々と歌うではありませんか！スティ−ブ・ロドビーってこんなに存在感あったっけかなぁ？そして、このバンドのある意味で超クリアな部分を支える22インチ・ライドシンバルのL-R ２枚による波状パターンの実に素敵なこと。あきらかにシンバル自体の厚みが増し、更にその倍音がうるさくない。こりゃ本当にうまい具合に鳴っているなぁ〜と関心いたします。

歌モノでは、やはりSally Kellermanあたりが実に美味しいところ。リファレンスケーブルで気になっていた「サシスセソ」行のギザギザ感が、超高級なディエッサーを通した具合に、見事に美しくなり、歌自体も音像の全面に・・・そう前に出てきます。スカっと明るいというより、とても大人の落ち着いた方向になりますので、長時間の聴き疲れはありません。全体的な音楽的なアンサンブルが、とても心地よくまとまる良い傾向にあります。

これは、大人の方の優雅で落ち着いた時間を過ごすための 稀なハンダです。 ガッシャンガシャンのロックを聴くためのものではありません。 しかしながら、補足いたしますが、ジョン・メイオールのクラプトンなど（つまりLPのPAF系）は、ものの見事に鳴らしています。これはイケる！！パワフルさと豊かな倍音の再生に拍手！！！

摩訶不思議な、大人のハンダですよ、これ。
まず、他にはこの独特のセンスの良い音色と個性はないと思いました。
使ってみる価値「大大大」です。