新書です。 きれいなほうです。
冠婚葬祭や食生活、人との触れ合いなどで地域独特のしきたりが存在する。
東北地方にある仰天なしきたりをまとめた一冊。
~まえがきより~
日本には、非常に古い歴史があります。
その中でも特に、東北地方には、古代から綿々と受け継がれてきた「歴史」があります。
歴史的経緯、地理的条件から、東北地方は日本列島の他の地域に比べ、
いまだに、独自の文化が長く保存されている地域なのです。
有名ななまはげや猟師「マタギ」の文化などは、原初の日本人の姿を垣間見せてくれます。
私たちが日々生きている中、「あたりまえ」に行っているちょっとしたことにも、それは存在しています。
家の中にあるもの、毎日食べているもの、何の意識もせずにしている挨拶。
友達と出かけるとき。古くから変わらず受け継がれているもの。変化を繰り返しつつ続いているもの。
これら多くに「しきたり」が隠されているのです。
しきたりの由来は、その多くが神道にあるといえるのです。
ただ、現在の日本の神道は、明治維新の際に国策として整理しなおされたものなので、
しきたりとして残っている古い神様との関わり方とは、多少の差異が存在します。
そもそも、日本の神様や神社とは、その地域に根ざしたもの。
それぞれの土地にそれぞれの神様がいて、地元も人々を守ったり叱ったりしてきたわけです。
当然、その土地土地で神様の好みや性格は違うわけなので、挨拶や礼儀も違ってくるわけですね。
つまり、神様との関わり方に由来するしきたりは、地域によってかなりの違いがあるのです。
長きにわたって独自の文化をはぐくんできた東北には、
他の地域とは違った神様がいて、他の地域とは異なったしきたりがあるのです。
同時に、これまで大切に受け継がれてきたしきたりも、
多くが忘れられていくといく副作用も発生してしまいました。方言も急速に薄れつつあります。
それぞれの地域に、長く受け継がれてきたしきたり。
確かに、その多くは面倒であったり、都会のスタイルや外国の格好の良い物に比べ、
おかしい、変だと思われてしまうものがあったかもしれません。
でも、長年続いてきたものは、それだけの理由があるのです。
その土地で、人々が生きていくために必要なもの。
偉大な功績を残した人を忘れないために行われてきたもの。
その由来や、どのように生活に結びついてきたのかを知ることは、とても大切なことなのではないでしょうか。