出品前に視聴確認済み。普通に視聴できました。
バンダイ版よりも古いポニー版になります。
旧声優陣で、歌が古い言い回しになっております。
1984年 75分 ¥16800
ディズニー映画『ふしぎの国のアリス』ビデオソフトの吹き替え
Japanese Translations of Audio-dubbings inWalt Disney’s Alice in Wonderland
木下信一 Shinichi KINOSHTA
1984年から1987年に発売されたソフト(
ポニー・
バンダイ版)、1991年から2005年に発売されたソフト(以下、
BVHE版初代)、そして2005年以降に発売されているソフト(以下、BVHE版2代目)では、それぞれ音声の一部に差し替えが行われており、内容がわずかに異なっている。
BVHE版初代では、一部の歌のみ変更が行われた。
BVHE版2代目では全編に亘って台詞・歌詞が改訂されており、一部のキャラクター名や単語の訳が以下のように変更された。なお、初出となったDVD『ふしぎの国のアリス スペシャル・エディション』には、パッケージ裏面に「一部を、現在の日本語表現に合うよう新しく収録しています」との記載がある。
単語
- 「いかれてる」「いかれ」(“mad”の訳語)→「へんてこ」「変」
- 「デブ」(“fat”の訳語)→「怒りんぼ」
- 「殺される」→「首になる」
キャラクター名
- いかれ帽子屋 → マッドハッター
- 眠りネズミ → ドーマウス
- 毛虫 → イモムシ
- 大工 → 大工さん
- クローケ → クロッケー
変更箇所の追加録音には、基本的に当時の声優が続投した。ただし、引退などの事情から一部の声優は変更されている。
考察
資料間の吹き替えの異同より、ビデオソフト『ふしぎの国のアリス』の吹き替え版
は、1984 年の VHS 版から 2005 年の DVD 版までの間に 3 種類の版が存在すると考え
られる。
・ 日本語版 A:1984 年 VHS 版から 1987 年 LD 版まで(資料 a~d)
・ 日本語版 B:1990 年 VHS 版から 2004 年 DVD 版まで(資料 e~k)
・ 日本語版 C:2005 年 DVD スペシャル・エディション(資料 l)
では、日本語版 A と B、日本語版 B と C では、どのように変更があったのか。以下
に変更の特徴を見て行きたい。
日本語版 A から B に変更されたのは、今まで外部の会社(ポニー、バンダイ)にラ
イセンスアウトして販売していたビデオソフトをディズニー系列のブエナ ビスタが
販売することになった際である。自社製品として出すに当たり、一度翻訳を見直し、
一部修正したことが解る。1990 年以降、VHS ではブエナ ビスタ、LD・DVD といっ
たディスクメディアはパイオニア LDC(現ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイ
メントジャパン)が販売している。パイオニア LDC は 1985 年に LD をリリース、そ
の後バンダイによる LD の販売時期を除いて 1998 年の DVD まで一貫してディスクメ
ディアの販売を担当している。これはこの会社が LD ソフトの製作・販売のために設
立されたパイオニアの子会社であることからディスク製作を受け持ち、VHS について
はポニーあるいはブエナ ビスタが製作するという分担になっていたと考えられる。い
づれにせよ 1990 年の時点でこの映画の販売がディズニーに戻ったこと、それにより再
録音が可能となったことが日本語版の変更を可能にしたことは確かである。