奥山忠さんは、東京都で1966年に生まれ、工学院大学で電子工学を学びました、1989年に卒業後、中国を含むアジア諸国の仏跡を巡る旅に出て、仏画に興味を抱きました、この旅がきっかけとなり、独学で日本画を学び始めました、奥山さんは胡粉を主とする独自の技法を用い、宗教画が持つ清浄な世界観を表現することに情熱を傾けています、彼の作品は、天・自然・人との共生、一体感に基づく法悦感や慈しみの情を織り交ぜており、宗教的な要素と日本画の伝統を融合させています、個展を中心に1993年以降精力的に作品を発表し、その中でブロードウェイギャラリーや川上画廊、ぎゃらりぃ朋、美蕾樹、日本橋高島屋、新井画廊銀座などで展示会を開催しています

奥山忠「霊」日本画 約30号
タイトル「霊」と名付けられたこの作品は、奥山忠画伯が描いた約30号という大画面の日本画で、壮大なスケールと繊細な技術が融合した傑作です。背景には荘厳な山々と神秘的な光が描かれ、中央には静かで内省的な表情をたたえた二人の女性が配置されています。この絵画は、自然、霊性、人間のつながりを象徴し、観る者に深い精神性と心の安らぎを感じさせます。

奥山さんが独自に発展させた胡粉を主とする技法が活かされ、宗教画の持つ清浄で神秘的な世界観が巧みに表現されています。特に女性たちの優雅な姿や装飾品の細部に至るまでの緻密な描写は、画家の卓越した技術と情熱を物語っています。また、背景の山々と天の光輪が醸し出す超越的な雰囲気は、この作品に静けさと崇高さを与え、宗教的なテーマを際立たせています。

約30号という大画面は、圧倒的な迫力で観る者を包み込み、同時に霊的な世界への入口として機能しています。この作品は、奥山忠が追求する「天・自然・人との共生」というテーマを深く感じさせるとともに、生命や魂の美しさに対する敬意を込めたメッセージを伝えています。画伯の女性像の名画です。