御存知!Paul McCartney & Wings全盛期 ロック・オペラ大傑作 ”Wings名義”「Venus and Mars」日本独自リマスター紙ジャケット仕様限定版
国内盤未開封新品でございます。
日本独自リマスターでございます。
日本特有の高音中心で幾分杓子定規的な..........と申し上げたい所でございますが、結構アナログ感があるもの。
また、オリジナルに即している事がミソでございます。
Paul McCartney名作という事からエンジニアが相当気合が入っていた感が有り、
リマスターにあたり、これでもか!という並々ならぬ意欲が窺えるものでございます.......................
現在ではこのPaul McCartney作品群最新リマスターがリリースされておりますが、今作含む作品によってはデータの音飛び等が指摘されております。
ファンを中心として指摘が為され、改善が求められておりますが、レーベル側は「これが正規」の一点張り。
(The Beatles某作品も同じ...................)
何をか言わんや、でございます.........................................
ラインナップは全盛期。
Paul McCartney(Vo、B、G、Key、ex-The Beatles)、故Linda McCartney(B-vo、Key、Per)、Denny Lane(G、Vo、Key、Per、ex-Moody Blues)、
故Jimmy McCullock(G、Vo、Per)、Geoff Britton(ex-East of Eden、3曲のみ)/Joe English(Ds、Per)となります。
ゲストに名手「Dave Mason(G、ex-Traffic)、名手Tom Scott(Sax、後にTom Scott & L.A.Express、George Harrison/Joni Mitchellセッション他)、
Allan Toussant(P、The Bandセッション他)、Kenneth Williams(Conga)となります。
プロデュースはPaul McCartney自身。
1974年11月5日~13日英国ロンドン”Abbey Road Studios”、1975年1月20日~2月20日米国ルイジアナ州ニューオリンズ”Sea-Saint Studios”、
カリフォルニア州”Wally Haider Studios”となります。
制作直前に名手Henry McCullough/Denny Seiwellが突如脱退。
悲惨な制作環境と紆余曲折の末に残る三名による制作の”Band on the Run”が完成。
リリース後は非常な好評とチャートアクション/セールスを叩き出します。
その後、オーディション選考を開始し、故Jimmy McCullockを獲得。
名手Gerry Conway(ex-Fairport Convention、Rupert Hineセッション他)のサポートを経て、
Paul McCartney実弟”Mike McGear”の録音セッションに参加する事となります。
その後、Geoff Brittonを後任としてスカウト。新作制作に向け創作に乗り出していく事となります。
米国ルイジアナ州ニューオーリンズ”Sea-Saint Studios”にて録音制作を決定するも、
その前に御馴染み”Abbey Road Studios”にて試験録音を行い、三曲を仮完成させます。
米国に移行し制作前にナッシュビルにて創作を兼ねたセッションを行うも故Jimmy McCullockが新加入のGeoff Brittonとの感情的な対立を引き起こし、
バンド内は険悪な雰囲気に。
Geoff Brittonは憤慨し急遽脱退。
その後のオーディション選考で米国人ドラマーJoe Englishを獲得。ニューオーリンズへ移行し新作制作に乗り出す事となります................
さて今作。
全盛期”Paul McCartney & Wings”本格始動となる作品でございます。
されど、”Wings”はPaul McCartneyの音楽性体現の為のバンド。
Paul McCartney単体ではドラム/ギター演奏では技術的な問題があり、
その解決や他ミュージシャンからの音楽的なインプットを欲した事を窺える感の有るものでございます。
如何にPaul McCartney自身の音楽性を発展させるか?を窺えるものでございます。
(この矛盾めいた感覚がメンバー交代に繋がる感も..........................)
楽曲はメロディ重視で非常に質が高く、幅広い音楽性で飽きさせないもの。
されど趣味性が高いもので非常に凝ったもの。案外人を選ぶ感覚がある音楽性で正直一般的なものではない事がミソでございます。
年老いた二人の或るロック音楽ファンの回想、束の間の空想、という感のある”ロック・オペラ作”ではございますが................................
当時の英国古典派アート・ロック系に繋がる音楽性ではございますが、今作はかなり躍動感がありロック色が強いもの。
名作と呼ばれた”Red Rose Speedway”はレコード会社の要望でロック系楽曲が外された事で名手故Henry McCulloughの深刻な不満を引き起こし、
(金銭問題も絡み)前作制作直前に脱退。
前作同様その反省に立ち、ロック色を非常に強めた感がございます。
名手故Henry McCulloughが在籍していたならこうしたであろうという演奏が感じられ、案外似た感覚があるJimmy McCulloch起用の理由が窺えるもの。
非常に興味深いものがございます。
制作時が英国アート・ロック(プログレッシヴ・ロック、ハード・ロック、アート/ポピュラー系等々)系のコンセプト作含めた大傑作が出揃った1974年と言う時期。
正にその渦中や影響下にあった制作、という感のある作品ではございます........................................
リリース後は前作に引き続き大ヒットを記録する事となります。
”The Beatles”人気が強く残っていた当時とは言えど、如何に当時の聴衆が鋭いものを求めていたか?が理解出来るものでございます.......
ようやく新体制にてライヴに臨む事となりますが、前作含めた作品の反響は非常に大きいもの。
Paul McCartney自身としてはThe Beatles以来となる大掛かりなツアーを企画、”Wings Over the World Tour”と銘打ち、実行に移す事となります。
されど、ツアーが企画され期待が高まる中、再び新作制作に乗り出す事となります........
再び二枚組企画で今作を制作しようとしたもののレコード会社に拒否された感が有り、
ロック色を強める為に外された楽曲を中心に再び新作制作に乗り出した感がございます。
(以前の”Red Rose Speedway”といい、後の”Tug of War””Pipes of Peace”の二作分けといい、
Paul McCartneyには二枚組に絡む因縁が感じられるものでございます................)
Paul McCartney自身のみに注目が当たり以前の”Henry McCullough脱退”の様な亀裂を避ける事や
以後のツアー活動での”Wings”のバンドとしての一体感を強める為という意図も制作に当たり伺えるものではございます。
されど短期間では仕上がらず、制作を中断。ツアーに乗り出す事となります。
スケジュール調整の末に英国/オーストラリア・ツアー~(幻の)日本公演後に再び制作に入る事が決定。
(.....以前の逮捕問題で日本入国が不可となった模様....後の大問題に繋がる事となりますが.........)
新作制作完成に尽力する事となります......................
完成・リリース後は再び好評を以て迎えられ、バンドはヨーロッパそしてThe Beatles以来となる北米ツアーに乗り出します。
また当時は録音機器の非常な向上でライヴ録音の名盤が多く制作されており、
バンドの演奏・アンサンブルの良さもあり伝説では無いリアルなロック・バンド”Paul McCartney & Wings”を体現する為に、
ライヴ盤制作を前提としたライヴ録音収録に乗り出す事となります...........................
(正直当時に日本公演が実現し、そこで録音に定評がある”Live in Japan”ライヴ録音が為されていれば............
.........という感がございますが..............................)
ツアーは熱狂的に迎えられ非常な動員を齎し、バンドは順風満帆。
されど、日本入国不可問題に絡む「ミュージシャン特有の私生活問題」が故Jimmy McCullockを中心に深刻化していく事となり、
創作面に悪影響を及ぼしていく事となります........................
この機会に是非。