2000年ごろにイタリアの高級筆記具メーカー、フェラーリ・ダ・ヴァレーゼ によって作られたボッティチェッリのマンモス・アイボリーです。

フェラーリ・ダ・ヴァレーゼ という会社はもう存在しないようです。また日本においては正規代理店が無かったので大手文具店などで売られることも無く、ネットで検索すると「日本では売られなかった」と出て来ます。
しかしながら、私は店頭で売られていたのを見たことがあります。それは2003年に新宿伊勢丹にメンズ館がオープンし、その6階に万年筆売り場があると聞いて行った時です。
モンブランやペリカンは勿論のこと、アウロラ、デルタ、スティピュラなどがオシャレなディスプレーで並んでいる所に、一際美しく飾られていたのがフェラーリ・ダ・ヴァレーゼ だったのです。価格はなんと200万円！ その後、その売り場には何度か足を運びましたが、最後までそのペンが売れる事はなかったと思います。

さて、出品致しますペンは、そのフェラーリ・ダ・ヴァレーゼ のシリーズの一つで、ボッティチェッリというシリーズの中の１本です。
ボッティチェッリはご存知のように有名な画家ですが、実はボッティチェッリと言うのは「小さな樽 / 太っちょ」と言う意味で、元々は画家のボッティチェッリのお兄さんのあだ名だったそうです。
フェラーリ・ダ・ヴァレーゼ のボッティチェッリは、スターリング・シルバーと自然素材との組み合わせを特徴としたシリーズなのですが、胴軸の柔らかい膨らみからボッティチェッリと名付けられたのではないかと思います。
使われた自然素材は、マザー・オブ・パール、ホーン（動物の角）、そして化石のマンモスの牙なのですが、ネットでいくら探してもこのマンモス・アイボリーが出て来ません。
おそらく加工が難しいのと価格の問題で、殆ど生産されなかったのではないかと推測されます。マンモスの牙と言っても化石ですから硬い事は容易に想像出来ます。また、私が知る限り他にマンモス・アイボリーを使ったペンは、モンブランの創業100周年記念モデルのソリテール・ソリッド・ゴールド（イエロー・ゴールド、ローズ・ゴールド、ホワイト・ゴールド各100本限定）が有るのですが、2006年に発売された時の小売価格は1本264万円でした。

１枚目の写真をご覧ください。左側に見えています青で縁取りされた赤っぽい紙は、マンモス・アイボリーである事の証明書（縮小コピー版）です（おそらくロシア語）。見た目が象牙と殆ど見分けがつかないため、この証明書が無いとワシントン条約違反で捕まる可能性がある為に付属しています。
裏面にはイタリア語と英語で以下のように書かれています。
「弊社が使用しているマンモスの本物の象牙化石は、ワシントン条約で保護されていない絶滅した動物から採取されたものであることを保証します」。

ニブ：18KのM
インク：カートリッジ / コンバーター 両用
全長：138.5mm
胴軸： 13.5mm

新品未使用
全てのオリジナル・ボックス、ブックレット、ペーパー、カートリッジ・インク2本、コンバーターが付属した完品

余談ですが、プラチナのペンで象牙のペンが有りますが、郵送であれ手持ちであれ、海外に持ち出して見つかれば没収されます。

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