霜島けい★九十九字ふしぎ屋商い中(1~5)★ 光文社文庫

霜島けい★九十九字ふしぎ屋商い中(1~5)★ 光文社文庫 收藏

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★商品説明★ 霜島けい著 「九十九字ふしぎ屋商い中(1~5)」 光文社文庫

 「ぬり壁の娘 九十九字ふしぎ屋商い中1」   2016年 9月 文庫初版
 「憑きものさがし 九十九字ふしぎ屋商い中2」 2017年 3月 文庫初版
 「おもいで影法師 九十九字ふしぎ屋商い中3」 2017年10月 文庫初版
 「あやかし行灯 九十九字ふしぎ屋商い中4」  2018年 5月 文庫初版
 「おとろし屏風 九十九字ふしぎ屋商い中5」  2019年 7月 文庫初版
      定価    580円~600円+税  270頁~295頁

★著者略歴★  大阪生まれ。「出てこい!ユーレイ三兄弟」でデビュー。ファンタジーとホラーの分野で活躍する。シリーズ多数。る。

★作品内容★  明るいポップなファンタジー時代小説。
 <1> るいは、8歳で母親を亡くし、十二歳で父親も亡くしたが、大家さんの紹介で住み込みで働き先も見つかったのだが、ある事情で、そこを頸になった。和尚さんに頼んであるものを封印して預け、順調と思っていたのだが、その店が倒産、再び仕事探しする羽目に。「九十九字屋」15歳になった”るい”、今度こそはしっかりした雇先を探そうと思っていたが、最大の難関は父親。ろくでなしで酒飲み、会えば口喧嘩をする父親は、12歳のとき酔って、滑って転んで壁に頭を打ち付けて、妖怪塗り壁になった父親。娘を思ってこんな姿になってしまったのかもしれないが、るいにとっては厄介者。壁から出てきては問題ばかり起こす。そんなるいが、迷い込んだ店で雇ってもらえることになった。不思議(あやかし)を売り買いする九十九字屋。主人は偏屈だが、父娘そろって受け入れてくれるということで奉公することに。「鶯笛」雇われたが、留守番と荘司以外に他にする仕事もない。そんな時持ち込まれたのが、災いをもたらすという、鶯笛。この笛が鳴ると店に災いが起こるというのだが、その真相は切ない物語。気持ちよく読める。
 <2> 九十九字屋で留守番をするようになって1月余り。仕事はほとんどないが、ある日現れた男から泣き枕を押し付けられる。「泣き枕」とにかく枕が赤子の声で泣くのだ。ナツに、泣きそうになったらあやすのだといわれ枕を負ぶって、掃除をしたりあやしたり、他人が見たら吹き出しそうなるい。ともかく枕にこもった思いとは何か。事件の裏には男女のすれ違った思いがあった。ナツの正体はバレバレだが、気が付かないるいも可愛い。「祭礼の図」夏祭りの情景を描いた図。その中の人が増えているという持ち主。飽津飼った主は、祭礼の日、人ごみの中から、幽霊になってこの世に未練を残した者を探し出して、成仏させることにした。人ごみの中で成仏できない幽霊たちを探し出して、説得できるのか。それぞれの人生の物語。
 <3> それにしても主人公のるいは、いい子だ。「虫干しの日」ぬりかべになったおとっちゃんの作蔵が消える話。蔵の品物の虫干しをしていると、振袖の中から手と顔が、そんな話を聞き終わって、ふと見ると作蔵が消えていた。鏡の向こうに似たような世界があると思わなかった子供時代がないという人は少ないだろう。「おもいで影法師」与力の隠居所に現れる不思議な影。最初は死んだ妻かと思っていたのだが、振り袖姿や元気に走り回る子供の影も。幽霊ではないので誰が。「もののけ三昧」死んだはずの母親がるいの看病をしてくれた。優しい神様の話。住んでいた長屋の隅に炭でできた招きねこが祭られていた。
 <4> 「迷い子の守」親子喧嘩して出て行った作蔵が、かどわかしにあった幼い子供を助けた。まだ3つにもなっていないので親の名前も言えない。迷子札が張られているという神社の母小石にやってきたるい。そこで出会ったお壱さん。かのじょもあやかしだった。「不思議語り」お得意さん不思議語りの集まりに招かれた九十九字屋の主の冬吾とるい。他の4人の話はそこそこだが、途中から参加した筧神社の神主の話は怖い。冬吾と神主の関係も明らかにされ、この後は第5巻に繋がってゆく。「あやかし行灯」金にうるさい母親と、母を築かう娘の行き違い。娘に縁談の話が舞い込むが、夜中に行灯がぽっと光る、死んだ父親が出てきて反対しているのか。見た目と違う母親のやさしさ。もう読んでいる物にはバレバレだったが、おナツさんの正体に初めて気が付くおおざっぱなるい。
 <5> 前巻2編目の解決篇というところ。やっぱりるいは、いい子でやさしい娘。「桜、ほろほろ」最近るいに付きまとう娘の幽霊。冬吾にはかかわるなといわれていたがついかわいそうになって声をかける。その他の無絵お聴いて成仏させるために知恵を絞る。屏風を広げるとそこは桜の咲き誇る河原。あの世とこの世の境にある場所だという。そこで花見を楽しむナツ「とるいと作蔵。「おとろし屏風」ついに封印されていて出てくるとたたりをなすという悪霊との対決か。でも、るいはただ封印するだけではかわいそうすぎると思う。冬吾の母の思い出や育ての親である先代婦人の思いが屏風を通じてるいに働きかける。

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