平成8年(1996)に、毎日新聞社から出版された平井聖が監修した第4巻
『城④ 東海 天下人への夢を馳せる群雄の城』(初版・定価2800円)である。
本書は豊富な写真(カラー写真・航空写真・古写真)をはじめ、古絵図や古地
図、城郭やその縄張りの復元図、そして、懇切丁寧な城と武将の解説がなさ
れている。また、巻末の「明治維新廃城一覧」や「城 Q&A」なども行き届いて
おり、とても史料的価値の高い本となっている。
「織田(信長)が搗き、羽柴(秀吉)がこねし天下餅、座って食うは徳川家康」と
の例えがあるが、まさに、東海から中部は三人の天下人の夢を育んだ有縁の
地である。信長、秀吉、家康の3人の他にも、武運拙く敗れた今川義元、織田
家重臣の柴田勝家、佐久間信盛、前田利家。秀吉子飼いの加藤清正、福島
正則など、名だたる武将の出身地であった。濃尾平野は肥沃な農業地帯を有
し、京への街道も古くから整備され上洛を目指す武将にとっては、絶好の地域
とされた。本書に収録されている城郭は、次のとおりだ。
(カラー特集)
●名古屋城 ●岡崎城 ●吉田城 ●小牧山城 ●清洲城 ●犬山城
●駿府城 ●掛川城 ●浜松城 ●岐阜城 ●岩村城 ●大垣城
●伊賀上野城 ●松坂城
(名解説・東海地方の城)
●西尾城 ●清洲城 ●小牧山城 ●犬山城 ●刈谷城 ●挙母城
●岐阜城 ●郡上八幡城 ●浜松城 ●掛川城 ●二俣城 ●山中城
●名古屋城(那古野城) ●岡崎城 ●吉田城 ●大垣城 ●岩村城
●高山城 ●苗木城 ●加納城 ●墨俣城 ●伊賀上野城 ●津城
●松坂城 ●桑名城 ●鳥羽城 ●伊勢亀山
文中には、上記以外にも、守山城・大高城・鳴海城・安祥城・高天神城
・長篠城・金谷城・野田城・長島城など多数の名も見える。各城の築城由
来、城郭の蘊蓄、城下町の概要と変遷、城の歴史や風土などが、わかり
やすく解説されている。
本の状態は、「ほぼ美本」だが、ごくわずかなカバー天地に微小のイタミ
が見受けられる。あまりに神経質な方は御遠慮して下さい。発送はレター
パックライト370円です。