優等生がひた走る本線のコースばかりが人生じゃない。
愚かしくて不格好な人間が生きていく上での”魂の技術”を静かに語った名著。

百歳を前にして老耄の始まった元軍人の父親と、
無頼の日々を過してきた私との異様な親子関係。
急逝した著者の純文学遺作集。


●目次●



目次
連笑
ぼくの猿、ぼくの猫
百
永日

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離婚
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「ことさら深刻ぶるのはよそうぜ」などとカッコいいせりふを吐いて ぼくたち二人はおたがい納得して「離婚」したのです。 ところがどこでどうなったのでしょうか、ぼくはいつのまにか、 もと女房のアパートに住みついてしまう――。 一人暮らしのフリーライター、羽鳥誠一の家に、 「わたしをお妾にしてくんない」と20代半ばの美女・会津すみ子が 転がり込ん出くるところから物語は始まる。 お互いに、憎しみ合うわけでもなく、女は夜遊びや 短期の出奔は繰り返すものの、男は特に気にする風でもない。 男と女のふしぎな愛と倦怠の形を、味わい深い独特の筆致で 描き出す直木賞受賞(昭和53年)作品。表題作のほかに、 「離婚」の続きとなる短編「四人」「妻の嫁入り」「少女たち」も収録している。



●目次●

目次
離婚／四人／妻の嫁入り／少女たち



14版★Ｐ261
初版★Ｐ236





●出品者から●

無頼派と呼ばれる色川武大が、家族と向き合い
その関係を描いた私小説的傑作「百」。
父が介護を必要とするようになる中で、見えてくる家族の関係をはじめ、
幻覚が見える話など、サイケデリックな世界も描き、
日本文学では見ない独特の作品になっている。
昭和を舞台に独特の距離感で暮らす男女の生活をつづる
「離婚」。多様性が叫ばれる今の時代を先取りしていたのかも。
世間体に左右されず独自の感覚で男女の関係を表現しています。

世間の人並みの生き方から
ズレてしまった、生き方に悩むあなたに贈りたい。
無頼派作家がつづる生きる力、名作をこの機会にどうぞ。



■状態■

カバーにヨレ、細かい傷、カバーに薄い汚れあり。書き込み折れなし。並みの古本程度。