１９６０年生まれ、米国はミズーリ州セントルイス出身のアヴァンジャズ系サックス奏者のグレッグオズビーと、片や１９７８年生まれ、オランダはフリースランド州ヘーレンフェーン出身の女流サックス奏者で主に現代ジャズ系を主戦場とするティネーケポストマの２人名義による双頭リーダー作。リリースは現代ジャズの最先鋭にフォーカスしたリリースを続けるＣｈａｌｌｅｎｇｅ Ｒｅｃｏｒｄｓからで本作もまたこのレーベルの慧眼に適った１枚。２人名義とはいえ編成はピアノとリズムセクションを含めたちゃんとしたジャズコンボ形態での録音で、参加メンバーもマットミッチェル（ピアノ）とダンワイス（ドラムス）を加えた、謂わば現代ジャズの渦中では最も飛びぬけた異才が２人揃って参加しているのも見逃せないポイントに。それにしてもこの類の無い音楽性はいったい誰の見取り図によるものなのかどうか、Ｍ－Ｂａｓｅシーンにも軸足を置いているグレッグオズビーなのか？、現代ジャズ究極の変拍子狂でもあるマットミッチェルなのかどうか？といった詮索は脇に置いといても、この内容、ちょっと聴いた感じではコンテンポラリージャズ的な音律のモードで進行するまでは良いものの、リズム面に着目した途端にこの音楽性のヤバさに愕然とするといった次第で、あれ？何拍子って数える間もなくどんどんリズムが変形しながら展開し、それでもあきらめずにリズムを追っていくとちゃんと４拍子、６拍子、８拍子の大枠があって、要するにその偶数拍節内でリズムの訛りだとか変形の限りを尽くしていくといった仕業が見えてきたあたりで、もしやこれはティポグラフィカのリズムアプローチを紐解くうえでは最良のヒントになるかもしれない内容かもしれず、要するにヘンリーカウやカンタベリー派、アヴァンプログレ系へと恐らくは偶然にも同一の軌道をなぞってしまった現代ジャズ屈指の奇作。必聴！！！ TINEKE POSTMA GREG OSBY-sonic halo(challenge records)

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