曲想は大方どれもバピッシュなブルースといえるものだが、中には微妙に後の新主流派的な匂いを含むLittle作“Waltz of the Demons”や珍しいビバップ調の“Runnin'”一風変わった“Tibbit”など、面白い曲がある。長めの演奏が多いのでLittleを十分に堪能できる。どこか迷っているかのような、或いは曲想を探るような緩やかなパッセージから突然緩急を自在に駆使してうねり始めるLittleはきわめて独特といえる。やはり彼はオーソドックスなバップの範疇にとどまる奏者ではなかった。 Strozierはとくに自作曲でいいアドリヴを聴かせているが、はっきり言ってLittleは全曲聴きものです。とくに彼のファンでしたら外せない1枚になっていると思います。