自宅保管の品です。大変美品ですが古いものですので、表紙など若干の経年変化はございます。ご理解頂ける方にご検討をお願い申し上げます。
白土三平伝 カムイ伝の真実
白土三平が生涯かけてカムイ伝を描く理由
2011年に発売された『白土三平伝~カムイ伝の真実』の文庫化。
その作品を高く評価されながら、長い間、世に全く登場しないコミック界の巨人・白戸三平。昨年米寿を迎えたが、いまだその存在や生活は謎に包まれている。この本格的な評伝は15年余りにわたって白土氏に寄り添いながら、直にその仕事ぶりに触れ、「伝説の漫画家」との対話の中から生まれた肉声をふんだんにちりばめた、毛利甚八の貴重な記録でもある。本書を読み、白土三平の真実を知ったときに『カムイ外伝』『カムイ伝』をいま一度読み直したい気持ちになる1冊である。(敬称略)
【編集担当からのおすすめ情報】
『カムイ伝』という物語の全体はあまりにも長く、全体を読み通して価値を計ることのできる読者そのものが少なくなっている昨今、サブテキストとしての存在は重要です。カムイ伝、あるいは白土三平を読み解く際の解説書としてはこの本は大変に貴重であると考えられます。ノンフィクション作家であり、マンガ原作者としても活躍した故・毛利甚八が白土三平に寄り添った入魂の著書でもあるのです。
マンガ界の生きる神話・白土三平のほぼ唯一の本格評伝。『忍者武芸帳』『サスケ』の大ヒットで一躍時代の寵児となったマンガ家が、左翼画家の父のもとで戦時下に受けた過酷な体験から戦後の紙芝居時代、貸本時代を経て、自由な表現をもとめて月刊『ガロ』を創刊。『カムイ伝』で激動の時代を刻印し、やがて房総の小さな漁師町で『カムイ伝第二部』を描きつぐまで。孤高の作家の創作の秘密、ベールに包まれた私生活と思想の原点を描ききった、渾身の書。単行本刊行後、構想中の『カムイ伝第三部』に言及した一節を新たに収録した増補決定版。図版、著者近影も掲載。
目次
序 生き抜くための教科書としての『カムイ伝』
第1章 白土三平の幼年時代 ファシズムと闘う父に育てられて
第2章 白土三平の少年時代 長野疎開と軍国教育のなかで
第3章 白土三平の紙芝居時代 焼け跡の左翼少年
第4章 白土三平の貸本マンガ時代 マンガ家としての開花
第5章 白土三平の「月刊漫画ガロ」時代 自由を求める航海
第6章 白土三平の千葉・内房時代 外伝とカムイ伝、その第二部を読み解く
第7章 白土三平の現在 カムイ伝の生まれる海辺
レビューより
漫画家の白土三平が幼少期を過ごした大阪と長野の地を訪ね歩き、日本にかつてあった市井の暮らしを想いながら、作品「カムイ伝」の重厚さを裏付ける内容の本でした。
白土三平さんとの、こぼれ話から感じ取れる人柄など、毛利さんの人柄も合わせて感じられて、ありがたい、貴重な本。