1914-1993 一水会会員・日展評議員の洋画家、1934年文化学院卒業後、 石井柏亭に師事、1942年一水会展一水会賞、1992年小山敬三美術賞、最上川とともに生きた画家、山形県最上郡戸沢村津谷に生まれる、晩年まで最上川に立ち続け、流域の暮らしを紡ぐ母なる川への想いを、そして春を待つ雪国の人びとの心を描き続けた、画面に表現された風景そのものが観る者の心に深く浸透し、静かな感動を呼び覚ます、今なお、真下慶治の想いは最上川に生き続けている

1992年には小山敬三美術賞を受賞するなど、その芸術への貢献は高く評価されました。真下慶治の作品は、彼が生涯を通じて愛した最上川やその流域の自然と人々の生活を繊細に描出し、観る者に深い感動を与えます。彼の作品は、雪国の厳しい冬や春を待つ人々の心情を表現することに特に長けており、その情景は観る者の心に静かな響きを与え続けています。晩年まで最上川の風景を描き続けた真下は、その地域と深い絆で結ばれていたと言えるでしょう。今もなお、彼の作品は最上川の風景とともに語り継がれています。

真下慶治「雪・最上川」油彩 10号
本作品は、日本の洋画家、真下慶治によって描かれたもので、彼が情熱を持って描き続けた最上川の冬景色を捉えています。画面には穏やかな流れの川が映し出され、その両岸には雪に覆われた樹木と岩がリアルに描かれています。遠景には雪で覆われた山々が連なり、冷たいが清潔感のある空気を感じさせる色彩で表現されています。右側には小さな家が一軒、その鮮やかな赤い屋根が冬の静けさの中でひときわ目を引きます。

真下慶治はこの地域に深い愛着を持ち、最上川の自然とそこでの生活を丁寧に描出しています。彼の作品は、この地域の豊かな自然とそこに息づく人々の生活を象徴しており、観る者に静かな感動を呼び起こします。この絵からは、最上川に対する彼の敬愛と、そこに生きる人々の心を春を待つ静かな希望が感じられます。真下慶治の絵画は、その繊細な表現と情感豊かな景色で、今なお多くの人々に愛され続けています。画伯の代表的モチーフ最上川風景を描いた、入手困難な10号油彩の名画です。