刑務所だけが、安住の地だった――
何度も服役を繰り返す老年の下関駅放火犯。
家族のほとんどが障害者だった、浅草通り魔殺人の犯人。
悪びれもせず売春を繰り返す知的障害女性たち。
仲間内で犯罪組織を作るろうあ者たちのコミュニティ。
彼らはなぜ罪を重ねるのか?
障害者による事件を取材して見えてきた、
刑務所や裁判所、そして福祉が抱える問題点を鋭く追究するルポルタージュ。
栃木県の黒羽刑務所に入所した私を待っていたのは、一般受刑者たちに「塀の中の掃き溜め」と言われているところでの懲役作業だった。そこは、精神障害者、知的障害者、認知症老人、聴覚障害者、視覚障害者、肢体不自由者など、一般懲役工場での作業はとてもこなせない受刑者たちを隔離しておく、「寮内工場」と呼ばれる場所。この寮内工場での私は、刑務官の仕事をサポートする指導補助という役目を命じられていた。障害を抱える受刑者たちに作業を割り振り、日常生活においても、その介助をするという仕事だ。(序章「安住の地は刑務所だった」)
目次
序章 安住の地は刑務所だった―下関駅放火事件
第1章 レッサーパンダ帽の男―浅草・女子短大生刺殺事件
第2章 障害者を食い物にする人々―宇都宮・誤認逮捕事件
第3章 生きがいはセックス―売春する知的障害女性たち
第4章 ある知的障害女性の青春―障害者を利用する偽装結婚の実態
第5章 多重人格という檻―性的虐待が生む情緒障害者たち
第6章 閉鎖社会の犯罪―浜松・ろうあ者不倫殺人事件
第7章 ろうあ者暴力団―「仲間」を狙いうちする障害者たち
終章 行き着く先はどこに―福祉・刑務所・裁判所の問題点
解説・江川紹子
累犯障害者 (新潮文庫)
平成21年4月1日発行
著者 山本 譲司
発行所 株式会社新潮社
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