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1992年頃 TOULOUSE-LAUTREC A RETROSPECTIVE
(トゥールーズ・ロートレック 回顧録)
33.7 cm x 25.5cm サイズ 378ページ・ハードカバー
※表紙カバーの端に擦過、ヨレ等認めます
ロートレックの生涯を画業のみならず、当時の評論や本人が手がけた書簡等々から丹念に明らかにした一冊
絵画はフルカラー118点とモノクロ104点を収録
放蕩・放埒な日々を送った無頼派のように捉えられる氏ですが、この本では氏が家族 や友人に抱いていた深い愛情につき、評論や目撃に基づく回想等から明らかにされています
一方で批判的評論も収録されており、多角的に氏の実像に迫る意欲的なものとして仕上がっております
ロートレック存命中に書かれた記事が多く、そのリアルタイム性が面白く感じられました
個人的に興味深かったのは、
・ムーランルージュがロートレックのために毎晩特別に席を準備していた
・そこにロートレックが何時間も座っていた
・氏は集まったダンサーに飲み物を振る舞い、それから絵を描いた
という当時ならではのエピソード
評価が固まった後世から振り返る、的評論ばかり目にしてきたので、偉人的フィルターのない描写が面白くありました^ ^
もう一つ印象深かったのが、1890年7月31日ロートレックがゴッホの死に関して出した手紙
(テオに宛てたのでしょう)
ゴッホの訃報を聞くも、その葬儀に参列できなかったことを侘びる内容で、テオの心情に 配意しつつ、礼節を尽くして言葉を選んでいる様子が窺えます
残念ながら洋書
すべては英語で表記されておりまして、興味を持った部分しか読めませんでした
(画集ではあるのですが、そこは残念)
当時の資料を丁寧に収集し、その生涯を明らかにした研究書に近い一冊ともいえるでしょう