ダイヤトーンのブックシェルフ型スピーカー「DS-11XL」です。
以下の整備を施しています。
・ フィルターの付加
・ コンデンサの交換
・ 配線の引換え
・ ウーファーエッジの張替え
・ バインディングポストの交換
・ キャビネットの補強
元々フルレンジ動作のウーファーに、特定の周波数を抑えるディッピングフィルターを新たに設けています。(写真9枚目右下)
ツイーターのHPF用コンデンサを交換しています。
電解コンデンサから、東信工業製のPETフィルムコンデンサに変更。静電容量はオリジナルと同等です。
また、フィルター新設に伴い位相接続を逆にしています。
内部配線をすべて引き換えています。
ツイーターはZONOTONE「SP-330Meister」、ウーファーはRocketfish製の16ゲージとしています。
朽ちていたウーファーのエッジは、新たにクロス製を張ってあります。(写真7、8枚目)
背面のコネクターユニットは、バナナプラグに対応する金属製キャップのものに換装しています。(写真9枚目左下)
キャビネットの両側面の中心に合板で裏当てをし、そこに金属製のボルトを流して梁とすることで、振動を抑制しています。
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キャビネットの外観は、角部に小さな打痕(写真5枚目)がありますが、擦り傷はほとんど見あたらず、艶もあり綺麗です。
前面ネットにも穴や剥がれはありません。
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80年代末期のダイヤトーン謹製2ウェイスピーカーシステムです。
容積重視のキャビネットで、小型ながら低音の量感を確保する設計となっています。
整備により新設したウーファーのディッピングフィルターは、そのままでは中高音が凸気味で耳につくのを抑えるためのものです。
これにより、元の質感を極力保ちながら、聴感的にも特性的にも自然なものになっています。
国内メーカー製らしく奇をてらわないバランスの良いスピーカーという印象です。
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主な定格
・ 2ウェイ2スピーカー/バスレフ型/防磁設計
・ 寸法:200W x 380H x 220D mm
・ 再生周波数帯域:50Hz~30kHz
・ インピーダンス:6Ω
・ 最大入力:100W(EIAJ)