御存知!Whitesnake 本格的米国進出に向かう音楽性変革期の過度期初期傑作「Saints and Sinners」 リマスター紙ジャケットSHM-CD仕様限定盤 国内盤中古でございます。
2006年度リマスター仕様となります。
古いリマスターではございますが、アナログ感が伴う良心的な音質となっております。加えてSHM-CD仕様がミソでございます。
ラインアップは初期全盛期名手揃い。
David Coverdale(Vo、ex-Deep Purple)、Micky Moody(G&B-vo ex-Snafu、Juicy Lucy)、Bernie Marsden(G ex-U.F.O.、BabeRuth、Paice,Ashton&Lord、後にAlaska)、
御存知!Neil Murray(B ex-Hanson、National Health、Gilgamesh、ColosseumⅡ、後にGary Moore、VowWow、Black Sabbath、ミュージカル”Queen”の箱バン、MSG等)、
御存知!Jon Lord(Key ex-Deep Purple、Paice,Ashton&Lord)、Ian Paice(Ds、Per 現Deep Purple、ex-Paice, Ashton & Lord、後にGary Moore)、となります。
またゲストに名手故Mel Galley(B-vo ex-Trapeze、後にPhenomena:Project)がございます。
プロデューサーは毎度御馴染み故Martin Birch。
(嘗てDerek Lawrence、Clifford Davisの下でエンジニアを担当し、第一期Deep Purple、Wishbone Ash、Skid Row等を手掛ける。後にプロデューサー独立。
第二~四期Deep Purpleで共同プロデュース、過度期Fleedwood Mac、Rainbow、かのIron Maidenをも手掛ける)が担当。
リマスターにより独特の音造りが分かり易くなった感がございます。
また、エンジニアはGuy Bidmead(Cozy Powell傑作2nd”Tilt”、Praying Mantis:シングル名曲”Turn the Table”、Grand Prix等手掛ける。この人物がミソ)
1981年12月英国イングランド・シェパートン”Rock City Studios”(創作・デモ録音) / グロスターシャー”クリアウェル城”(録音機材車使用、本格的な録音制作)、
1981年9月~10月英国ロンドン”Britannia Row Studios”(新ラインナップのリハーサル、Mickey Moody/故Jon Lord演奏追加録音) /
”Battery Studios”(ヴォーカル/コーラス録音・修正及びミキシング)での制作となります。
前作”Come and Get it”が英国/ヨーロッパ圏で成功、ツアーを成功に終わらせたWhitesnake。
されど米国ではチャートインすらせず失敗、忸怩たる思いを噛み締める事となります。
そしてDavid Coverdaleはマネージメントの米国での売り込みやバンド財政問題に不信感を大きく募らせていく事となります..................
ツアー終了後の12月上旬に”Rock City Studios”にて創作開始。
そして音響の関係から”クリアウェル城”へ舞台を移し、録音機材車を用いて本格的な録音制作に臨む事となります。
米国進出を本格的に狙うDavid Coverdaleは音楽性の変革を望み、八十年代に合う音楽性のモダン化を示唆。
David Coverdale自身が音楽性と創作を以前よりも主導していく事となります。
楽曲の質は非常に高いものの初期全盛期の音楽性から抜けられず、David Coverdaleの思う様な成果が得られないまま制作が継続。
その葛藤が制作時に現れており更にはバンド内での深刻な対立を招き、不穏な空気が流れる事となります............
その話を2nd”Tilt”での音響制作者であった今作制作エンジニアのGuy Bidmeadから伝え聞いた、かの名手故Cozy Powell(当時MSG在籍)。
(壁に耳有り障子に目有り(笑)............)
そしてそのCozy Powell/Peter Mensch(当時The Michael Schenker Groupのマネージャー。後にマネージメント”Q Prime”設立)からアプローチが掛かる事となります。
2nd”MSG”がセールス不振。責任問題を巡り名手故Paul Raymondが脱退、Gary Bardenを解雇したMSG側から後任として白羽の矢が立った訳ではございますが、
1981年12月下旬にMickey Moodyが脱退した事を機にDavid Coverdaleはバンド解体そしてマネージメント契約の解消を決意・実行に移し、Cozy Powell/Michael Schenker側との合流を画策する事となります。
Coverdale/Schenker/Powell/Glenによる新バンド構想を話し合うものの、David Coverdaleは”Whitesnake”、Michael Schenkerは”The Michael Schenker Group”名義を主張。
結局溝は埋まらず袂を分かつ事となりますが、David Coverdaleはこれも何かの縁とCozy PowellにMSG向けに楽曲提供を申し出。
再びビジネス面の整理と”Whitesnake”再編構想へと舵を切る事となります。
(その後MSGはPeter Menchを解雇し新マネージメントと契約するも、David Coverdaleが不信を持ち契約解除した曰くの所。
因ってDavid Coverdaleが楽曲提供を反故、故Cozy Powell預かり後に3rd”Octopuss”収録となります)
MSG側は故名手Cozy Powellの伝手でGraham Bonnet(ex-Rainbow、後にAlcatrazz他)を加入させ新作制作に乗り出しますが、
制作方針と金銭面に絡むバンド運営方針(Michael Schenkerはメンバー各自の資金提供を主張)を巡ってSchenker/Powellが対立。
名手故Cozy Powellはあっけなく離脱する事となります..........................
その後故Cozy Powellはビジネス面の整理をしつつ休息を取る事となりますが、それを伝え聞いたDavid Coverdaleがアプローチ。
当時かの故Gary Moore側からのアプローチがあったものの、David Coverdale曰くの「バンドの再建に力を貸してほしい」という依頼に故Cozy Powellは意欲を掻き立てられ、その話に乗る事となります。
その後お互いを知る為もあり、故Cozy Powellは自身の「ぼっちキャンプ」にDavid Coverdaleを誘う事となります..............
故Cozy Powellとパーソナル・マネージャー、David Coverdaleによるものでございましたが、David Coverdaleにとって相当な衝撃であった模様。
自身の置かれた立場等々を思い知り、本格的にバンド再編・米国進出に向けて思考を変え意欲的に行動していく事となります..............
その後名手故Cozy Powellの推薦とDavid Coverdale人脈のリンク面から人選を行い、名手Mel Galley(ex-Trapeze)、
名手Colin Hodgkinson(ex-Backdoor、Schon/Hammer、後にYoung/Hammer、James Young Group等)を起用。
Whitesnake解雇後、傑作3rd”Before I Forget”を制作そして故名手Cozy Powellが演奏参加した事があり、名手故Jon Lordを再び起用に動く事となります。
もう一人のギタリストが決まらないまま、1982年9月に”Britannia Row Studios”にて再制作開始。
但し資金面の問題やレコード会社の意向から既存の録音に修正を加える形となり、David Coverdaleのヴォーカル録音及び修正、Galley/Coverdaleバックコーラス録音中心に制作に乗り出す事となります。
(このスタジオでのヴォーカル系テイクは今作に使われなかった模様。また創作を伴わぬ再録音に質を求める事に無理があった感。
結局オリジナル録音に音響的修正を新ラインナップとして意見を述べ加えるのみに留まる)
また後任ギタリストのオーディション選考を兼ね新ラインナップのリハーサル、
そして故名手Cozy Powellの新作ソロ3rd”Octopuss”の制作を同スタジオ同時並行で”Powell/Galley/Hodgkinson/Lord”にて行っていく事となります。
そして新ギタリスト候補に名手Jimmy Page(ex-The Yardbirds、Led Zeppelin、後にThe Firm、Coverdale/Page)、
そしてその”Octopuss”に前作”Tilt”の外れ楽曲”Dartmoore”を収録する事となった事で演奏兼著作者でもある名手故Gary Mooreがスタジオ来訪。
David Coverdaleは加入を目論み、セッションに誘う事となります。
前者はDavid Coverdale曰く「大した事なかった」(.....あのねぇ....)との事で却下。後者は「自分のソロバンドがあるから」と丁重に御断りを戴いた模様。
(”Saints and Sinners”の録音テープに合わせて名手故Gary Mooreが即興のソロを弾いたところ、素晴らしい出来。
David Coverdaleが感動したのの束の間、録音エンジニアが無録音。激怒した模様...............何かねぇ.................)
新ギタリストには故Cozy PowellがGraham Bonnet”Line-up”制作時に録音ミュージシャンコーディネートを行い共演した事があり、Mickey Moodyを再加入させる事となります......................
Moody/Lordのオーヴァーダビングを加えた後に制作舞台を”Battery Studios”に移行。
David Coverdaleヴォーカル録音・修正及びGalley/Moody/Coverdaleによるコーラス録音そしてミキシングを行い、完成に辿り着く.........................という面倒な経緯がございます...................................................
さて今作。
Deep Purpleや後のWhitesnakeに比べ、非常にベーシックな感のある音楽性のロックバンドで敢えてHR/HMと強く捉えない事がこの時代の理解のミソでございます。
ロックバンドではございますが、ソウルミュージック、(本物の)R&B、ファンク等のブラック・ミュージックを基礎に据えた感があり、多分に漏れずブリティッシュ・ロック特有のルーツ音楽解釈が伴う事もミソ。
意外とアメリカ指向な音楽性の感がございます。
ゴスペル的で印象的なバンド・コーラス隊を上手く生かし、David Coverdaleのソウルミュージック、R&B系影響下のヴォーカルを生かす感。
但し、米国進出に向けて音楽性を八十年代に合わせるそして当時のHR/HMに接近した感が有り、初期全盛特有の音楽性ではあるもののモダン化とコンパクト化が為された感がございます。
楽曲は案外良いものが揃います。
初期Whitesnakeの持ち味であるベーシックなロックを基に八十年代を意識したコンパクトさとメロディ重視を狙ったものでございます。
但し、メロディの華やかさや洗練さ重視であった八十年代音楽の煌びやかさとは趣が異なるもの。
そこが米国進出を本格的に狙うDavid Coverdaleがバンドの音楽性の限界を感じ解体した理由の感がございます。
また米国進出の足掛かりとなる大傑作”Slide it in”に繋がる垢抜けた音楽性が楽曲によって感じられるもの。
David Coverdaleのみの作曲クレジットであっても名手Bernie Marsdenが持つ洗練性が生かされており、そこにDavid Coverdaleが制作時に期待を掛けていた感がございます。
後にMickey Moodyが復帰となりますが、それがBernie Marsdenであったならば.......という感がございます。
(新ラインナップ構想時には既にBernie Marsdenは新バンド”S.O.S.”(後の”Alaska”)の活動に動いており、復帰は困難の感が.........)
また演奏参加はなかったものの、故名手Cozy Powell/名手故Mel Galleyの音響的な意見が意見が生かされている感。
躍動感と立体感・スケール感重視でパンチのある音像強調が前者、後者はメロディ重視という主張が為された感がございます。
後に大傑作”1987”に再アレンジ再録音される二曲でございますが.............
初期全盛期Whitesnakeの良さと持ち味の素朴さが感じられるものの、音楽性の新機軸という感。
後の変化具合との比較が非常に興味深いものでございます。
(大傑作”1987”での”Crying in the Rain”の新ヴァージョンに関しては故名手Cozy Powellのアレンジが残されている感がございます)
David Coverdaleのヴォーカルは新ラインナップ確定後での録音。
前ラインナップの過去録音楽曲ではあるもののPowell/Galleyの音響的インプットが加えられており、音響的な近代化が録音で為されている事で(これからの意欲的な活動を意識した感が有り)非常に意欲的で力強いもの。
今作から”1987”までが米国進出時David Coverdaleのヴォーカリストとしてのピークという感がございます。
故Jon Lordはツインギターのバンドに在籍する事は初めてらしく、「二本のギターの間に自分の音楽的な居場所を探す事は大変だった......」との事。
但し、これはどのKey奏者も悩む問題の模様でございます......................................
古い作品ではございますし変則的な制作というものでございますが、後に再アレンジ録音される楽曲が含まれている事がミソ。
「過去から学ぼうとは思うが、過去に生きたいとは思わない」と宣うDavid Coverdaleであれど忘れえぬ楽曲が満載でございます......................................
リリース後は前作程ではないものの好評を博し、成功を収める事となります..................
完成後の1982年12月新ラインナップによるツアーが開始されますが、反響は非常に大きいもの。
新作が新ラインナップによるものではない事があり、新作が期待される事となります.............
残念ながら米国では今作はチャートインすら為らず。されど米国本格進出に向け、大きな第一歩を踏み出した感。
されど新ラインナップに大きな手応えを感じたDavid Coverdaleは新ラインナップそして新たな音楽パートナー故Mel Galleyとの新たな音楽性に大きな期待を掛けていく事となります.......
ボーナス楽曲は三曲。
ヴォーカル初期録音で仮リミックス二曲と、ヴォーカル録音が為されなかった一曲でございます。
前者は仮とは言え全体像を見たいというDavid Coverdaleの意見で制作された感。後者は他曲とのダブり感が有り、Powell/Galleyの音響的な意見を加える前に却下となった感がございます........
但し、後者の録音ではPowell/Galleyの音響的意見が何であったか?が垣間見られるものでございます..........
昔、Whitesnakeの解散ツアーを観に行った名手Neil Murray曰くは「ステージでは昔の楽曲をバンドが演奏していたが、自分はそこにいない。奇妙な気分だった........」との事ではございましたが.................................
現在ではこの紙ジャケット仕様限定盤は入手が非常に困難。この機会に是非。
注:発送方法は変更になる場合がございます。宜しく御願い致します。