2016年4月21日、57歳の若さで急死した天才ミュージシャン“プリンス”の真実に迫る傑作ドキュメンタリー「Mr. Nelson On The North Side」が、「プリンス ビューティフル・ストレンジ」の邦題で、プリンスの誕生日である6月7日に公開される。 孤高の天才として知られるプリンスは、80年代、自伝的映画「パープル・レイン」、同映画サントラのメガヒットで、一躍世界的スーパースターとなった。公式発売されたアルバムのトータルセールスは1億5千万枚。12枚のプラチナアルバムと30曲のトップ40シングルを生み出し、7度のグラミー賞を受賞。2004年にはロックの殿堂入りを果たすなど、生涯ロック・ポップス界の頂点に君臨し続けた。 ポール・マッカートニーが“クリエイティブの巨人”と称し、エリック・クラプトンが“世界で最高のギタリストの一人”と賞賛するなど、マニアを公言するビッグネームは数知れない。ロック、ポップス、ファンク……あらゆるジャンルの垣根を飛び越え、実験性と大衆性を同時に奏でる真の天才だった。 アメリカ・ミネアポリスで誕生したプリンス(本名:プリンス・ロジャーズ・ネルソン)は、住民の99パーセントが白人という環境下で、多感な青春時代を過ごした。公民権運動の渦中、ジェームス・ブラウンらの黒人ミュージシャンも時折訪れた、地元のブラックコミュニティ“ザ・ウェイ”での音楽的な原体験、恩師や家族が語る幼少期のエピソードは、興味深いものばかりだ。チャカ・カーン、チャックD、ビリー・ギボンズなど、プリンスを敬愛するミュージシャンの貴重なエピソードも多数収録されており、孤高の天才が、如何にして誕生したのか、そして突然の悲劇までを紐解いていく。