WEの中でも非常に良いものです。22AWG は 数あれど、これは固有のとてもすばらしい特徴を備えておりました。 いや、感動します、このケーブル。絹巻きでは無いからと多少ナメてかかったのですが、それは完全に良い方向に裏切られました。まずは、「大パノラマ的ド迫力と音場の臨場感」「明確さ」「優れた分解能」「情報量の豊富さ」「鋭いエッジと音切れの絶妙さ」・・・さてどれをとっても「超」を付けていいほどの一級品です。最初に聴いた瞬間に惚れ惚れいたしました。

最初に聴いたのは、ドビュッシーの交響楽。続いてホルスト、ムソグルスキーに戻り、更にガーシュインからアルフレッド・ニューマン、コルンゴルトに至るまで。うむ、降参！！天下のWEですね。もちろん1900年初頭辺りのWEの凄さはわたくしも重々知っております。でも、これも全く秀逸なワイヤーです。冒頭にも書きましたが、「大パノラマ的ド迫力と音場の臨場感」が、最初に耳に飛び込んでくるのです。感動的なダイナミクスの表現力。アンサンブルの見事なまでの調和・溶け合う様、そして全体のバランスの良さ。結果、見事なプロポーションです。優雅な貴婦人なのです！！

そして、急に聞きたくなるJAZZではどうなるか？まあコルトレーンの定番「バラッド」を聴いてみようじゃありませんか。あっ！この黄昏感たっぷりのムード。高いリアリティーと夢のような空間が同居してる。テナーの息づかいの再現が最高。ブラシを使用したシンバルのディテールも文句無し。ウッド・ベースのやわらかくも輪郭のはっきりした太い存在感がお見事！！JAZZ最高です。

ここまでくると、ROCKを検証しないわけにはいきません。しかも、我らが Rolling Stones の名盤「Black & Blue」いっちゃいます。いきなりレフトチャンネルのギターイントロの空気の量が違う！そして、タイトに引き締まる低音、しかも低域の量感はたっぷりとあります。見事な演奏！このワイヤー、ストーンズ向き！すごいですねぇ。パンチ力・パワー感も言うこと無し。ミックのヴォーカルも実にリアルでくっきり浮き出され、よく歌います。例えば、「Memory Motel」なんざ～涙ものです。もちろんキースも！！・・・ええと、遅ればせながら、フェンダー・テレキャス、ストラト及びギブソン系のギター配線材としてもものすごく良いという実験結果がでました。所謂、万能型ですね。ベースの内部配線材としてもタイトで明確な指板の音を伝える 高いポテンシャルを持っていました。

WEってやはり侮れない、というかWEの中に一級品が数多く存在します。これもそうなのです。とても広範囲の用途に使えるワイヤーです。ギター・ベースの配線材から、極上のオーディオのピンケーブルやアンプ内部の配線材としても、素敵な音色だと思います。ピンケーブルまわりとしても、前述の試聴をお読み頂ければ事実、絶品でしょう。こういうのが遥か70年ほどの時を経たWEの中のWEなのです！！
ただただ、心を動かされました。