大型図録本 古丹波焼図鑑カラー写真集解説作品集108鎌倉室町時代桃山茶陶江戸時代ビードロ釉自然釉壺大壺甕蹲茶碗徳利茶入水指朝倉山椒壺銘

大型図録本 古丹波焼図鑑カラー写真集解説作品集108鎌倉室町時代桃山茶陶江戸時代ビードロ釉自然釉壺大壺甕蹲茶碗徳利茶入水指朝倉山椒壺銘 收藏

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大型図録本 古丹波焼 作品集 写真集 解説 カラー105点108図 立杭焼 小野原焼 鎌倉時代 室町時代 桃山時代 江戸時代
A Pagent of Japanese Ceramics TAMBA WARE

中央公論社
編集・解説 楢崎彰一
1977年
79ページ
約34×27×2cm
函入 ハードカバー
作品図版フルカラー 解説参考図版モノクロ

※絶版

フルカラー大型図録本、古丹波焼図鑑。函入大型愛蔵版。
丹波小野原庄で焼かれ、昔は小野原焼とも呼ばれた。壺の肩に流れる緑色のビードロ釉が特色。

鎌倉時代から江戸時代(12世紀~19世紀)にかけて、丹波の作品105点、108図を収録。
壺、甕、茶碗、鉢、瓶、桶、皿、徳利、ぐい呑ほか、
全作品の詳細な説明、ほかテキストも充実の一冊。

本巻では古丹波焼の全貌をフルカラー写真で紹介。
厳選された国内最高峰の優品を網羅して収録。

収録作品の配列は、あらゆる器形を網羅し、作風の展開のさまがわかるように掲載、
フルカラー写真に加えて、巻末には全作品の寸法、全作品の解説。
作品名については、全作品に英文表記あり。また、巻末に英文の論考テキストも収録。

美術館・博物館所蔵などの在銘の銘品から、
めったにお目にかかることのできない個人蔵の銘品優品を多数カラーで写真解説したもの。

斯界の研究第一人者による解説論考テキストは、参考作品の写真を多数もちいてその器形、様式の展開をていねいに考察。
丹波古窯跡群分布図、作風による年代鑑定にも役立つ中世丹波編年図、江戸時代丹波編年図も収録。

巻末テキストの追加資料にさらにモノクロ図版多数掲載。

巻末のやきもの風土記は、丹波焼をテーマとした丹波篠山訪問記。
柳宗悦と並んで丹波焼の「発見者」と称される西幸一氏が収集した、厖大な丹波焼コレクションを有する丹波古陶館を訪問、別名立杭焼と言われる、立杭地域の蛇窯、丹波焼の窯元・陶芸家のインタビューなど、こちらも楽しく内容充実の読み物。

監修者、責任編集者ともに昭和後期最高峰の内容を誇り、厳選された掲載作品図版、テキストは内容充実、参考文献としても多く引用されてきた一冊です。

古丹波焼は、世界的な人気の割に展覧会図録や写真集、作品集など類書はほとんどありません。
本書は大型本のため、各作品の写真も大きく、細部まで見て楽しむことができる、
古丹波の目利き、陶芸家、茶道具、古陶磁、デザイン、骨董品愛好家等に必携の大変貴重な資料本です。

【目次】小見出しも紹介します
作品カラー図版
概説 山家と町家の陶芸 楢崎彰一
 はじめに 古窯の分布 丹波窯の成立 中世の丹波焼 製作技術 中世丹波の変遷 近世の丹波焼 近世丹波の器種 製作技術 近世丹波焼の変遷 丹波の茶陶 
丹波古窯跡群分布図
中世丹波編年図
江戸時代丹波編年図
作品解説 楢崎彰一
やきもの風土記 城と蛇窯のある風景 九原英樹
参考文献
作品目録
英文梗概
英文目録
LIST OF PLATES


【凡例】
本巻には、鎌倉時代から江戸時代(12世紀~19世紀)にかけて、丹波の作品105点、108図を収録した。作品と図版の数え方は、原則として同一作品で異なる角度から見た図版のある場合、これを一点二図とし、一括して名称を付した。
収録作品の配列は、時代別にあらゆる器形を網羅して作風の展開のさまがわかるようにした。
作品には、原則として図版番号、名称、出土地、時代、寸法を付し、英文による名称を添えた。
所蔵については、公共あるいは私設の博物館、美術館等に属するものは記載し、個人の場合はこれを省略した。
難解と思われる語、術語には、語の下にをつけ、上欄に注を載せた。巻末には英文による梗概、および図版日録を併載した。

陶土分析表=京都大学人文科学研究所研究報告より転載
中世丹波編年図=大槻伸作図井上喜久男製図


【概説 山家と町家の陶芸 楢崎彰一】より一部紹介
はじめに
 ほんのりと火色の出た灰白色の素地に、肩から滝のように流れ落ちる鮮緑色の自然釉のかかった丹波の意は、数多い中世の総焼陶のなかでも、最も明るく、洗練された形姿をもっている。幽玄な雰囲気をただよわせる桐文犬壺(図8)から明るい黄緑釉に包まれた秋草文四耳壺(図6)、さらに澄みきった淡緑釉のかかった室町時代末期の壺(図2)にいたる作品の数々は、あの草深い山中で生れたやきものとは思えない明るさをもっている。また、伊万里・右衛門などの磁器に圧倒されて、粗末な雑器生産に低迷した江戸時代の伝統的窯業地のなかにあって、ただひとり釉薬に挑戦し、近世陶器の新天地を拓いたのも丹波である。丹波のやきものについて書かれたものは、桃山から江戸時代の茶会記や日記類に登場する茶陶を除くと、一八
五七年(安政四年)の金森得水著『本朝陶器放証』をはじめ、『丹波志』『観古図説』『工芸志料』『日本陶器全書』など数多くあるが、いずれも近世の丹波陶について触れるのみで、内容的にも茶陶に偏った観があった。中世を含めた丹波の窯業史について、本格的な研究が始ったのは昭和十年代に入ってからのことである。それより早く、大正末年から昭和初期にかけ、柳宗悦らによって民芸運動の一環として取り上げられるようになると、地元人士に大きな刺戟を与え、篠山町の中西幸一氏、綾部市の守田種夫氏などの大蒐集が始り、丹波焼研究の推進に大きな役割を果したのであった。しかし、実地に古窯跡を踏査し、本格的な学術研究を進めたのは故杉本捷夫氏である。一九三七年(昭和十二年)の「茶わん」誌上に「丹波の古窯に就て」を発表して以来、一九六九年に『改訂丹波の古窯』をまとめるまで、三十数年間に執筆した著書・論文は四四編に達し、丹波焼研究の基礎をつくったのである。杉本氏によると、旧丹波国内、すなわち兵庫県東部から京都府西南部周辺にかけて営まれた数多くの陶窯のなかで最も古く、今日まで連綿と焼き続けられたのは多紀郡今田町立杭を中心に展開する狭義の丹波焼であり、創業以来、第一期?小野原焼時代(中世)、第二期―釜屋時代(江戸前半期)、第三期??里窯時代(江戸後半期)の三段階の変遷をたどったとしている。その論述は詳細を極め、史料的にも今日付け加えるものはほとんど無いといってよい。いま本書を編むに当って、杉本氏の著書論文から多大の裨益を得た。しかし、それにもまして大きな力になったのは、丹波古陶館および兵庫県陶芸館に蒐集された厖大な陶器資料を自由に検討する機会を与えられたことであった。とくに、丹波古陶館長中西通氏や大槻伸氏など館員諸氏、兵庫県陶芸館長田中寛氏・同館片岡武義氏から数々の有益な御助言を戴いた。はじめに記して厚く感謝の意を表するものである。

ほか

【作品解説】より一部紹介 全作品に寸法、制作年代、作風やその見どころ、来歴などの詳しい解説。
壺 一四世紀 丹波古陶館
中世の丹波の壺には長胴形と丸胴形の二種の形態があるが、この壺は長胴形のうち、完器として最も古いものである。短く、つよく外反する口頸部、つよく張った肩から底に向けて直線的に細くなる胴部の形状は、鎌倉後期の特色を示している。紐土巻上げ成形で、刷毛目横ナデによる器面調整をしている。胴下半は成形時の箆削り痕を残している。焼上りは極めて良く、茶褐色の器面の肩にかかった濃緑の自然釉が、胴下半まで滝のように流下し、力強い風格を示している。

壺 銘 布引 一四世紀 兵庫県陶芸館
いわゆる稲荷山大壺と呼ばれる古丹波長胴形の典型的な大形壺である。締った頸部からやや立ち気味に外反する短い口頸部や、撫肩の幾分丸味をもつ胴形からみて、南北朝代の所産と考えられる。紐土巻上げ胴部四段はぎづくりで、器面は刷毛を横に用いて調整している。焼成は極めて良く、茶褐色の器面に自然釉が流下している。

小瓶 一六世紀 丹波古陶館
大徳利 一六世紀 兵庫県陶芸館
徳利形の瓶類は中世窯においては一六世紀始めごろに出現する。
その祖形になったものは明代の輸入品で、本来水瓶である。のちの酒徳利と形態が同様であるため、徳利形瓶と呼ばれる。丹波では室町後期の作品はそれほど多くない。図35は一六世紀始めごろの作品で、珍しく口縁部の一部を折り曲げて注口をつくっている。図30は室町時代の徳利形瓶としては最も大きいもので、形態からみて一六世紀前半代の作品である。紐土巻上げづくりで、器面全体を縦方向に猫描き方法によって調整している。焼上りは極めて良く、淡い火色の出た器面に暗緑色の自然釉が薄くかかっている。肩に落書きで「上」の字を刻んでいる。

耳付茶入 銘 生埜 一七世紀
「生埜」は数少ない丹波茶入のなかでも最高の名作とされている。その優美な姿は遠州好みといわれ、『遠州道具置合』によると、寛永八年(一六三二)九月二十二日と十月二日に小堀遠州が茶会に用いたことが知られる。素地は紫褐色の細緻な土で、薄く挽き上げられ、底は糸切のままである。まるく張った肩からわずかにふくらみをもった胴の線は素直であり、まるく外反する小さな口縁や上向きに付けられた小さな耳によって、立ちの高い、おおらかな感じをよく出している。釉は柿色に近い明るい鉄釉で、胴に現れた黒斑が景趣を添えている。黒柿の挽家に入っており、外箱蓋表に遠州字形のつだい「生埜」の二字を彫っている。のちに松平不昧公に伝ったもので、中箱の「生整」は不味の書である。図6は肩衝茶入の秀作である。生整と同様な肌理の細かい紫褐色の土を用いている。わずかに外反する口頭は比較的大きく、つよく張った肩や腰の部分で一段ふくれた形はあたかも山椒壺のそれに似ている。釉は茶褐色の鉄釉が裾までかかり、肩から胴の一部に海風状の自然釉がかかって、景色をつくっている。『有楽亭茶湯日記』や『伊丹屋宗不筆記』などに「丹波焼肩つき」の文字がしばしば登場している。

朝倉山椒壺 一七世紀 丹波古陶館
朝倉山椒壺は、丹波の名産である朝倉山椒を保存する容器として生れた特殊な壺であるが、その祖形である桃山時代の肩衝壺を瓢形あるいは六角面取りなどに変形させ、土灰釉あるいは灰ダラ釉を施したもので、下地に赤土部釉をかけたものは極めて少ない。印には陶印が用いられているが、「朝倉山椒」「朝倉山椒煮」の両者があり、凹凸両印がある。図5・58は六角面取りのうちの代表的な作品で、灰ダラがかけられ、変化に富んだ黒色を呈している。特に図38のようにシャープな面取りを施したものは珍しい。図55は瓢形の四耳壺、図5は一般的な丸形で、土灰釉がかけられている。いずれも底部は内反りの平底で露胎であるが、図5は低い高台がある。

ほか


【作品目録】一部紹介、全作品の寸法記載
壺 14世紀 丹波古陶館
三筋壺 伝兵庫県出土 12世紀 丹波古陶館
壺 13世紀 京都民芸館
短頸壺 14世紀 京都民芸館
壺 銘 布引 14世紀 兵庫県陶芸館
秋草文四耳壺 14世紀 重要文化財 梅沢記念館
樹文三耳壺 14世紀 
桐文壺 14世紀 兵庫県陶芸館
三耳壺 14世紀 
壺 14世紀 
壺 14世紀 兵庫県陶芸館
壺 14世紀 丹波古陶館
壺 15世紀 丹波古陶館
壺 15世紀 兵庫県陶芸館
壺 15世紀 兵庫県陶芸館
壺 16世紀 丹波古陶館
壺 16世紀 
壺 15世紀 兵庫県陶芸館
壺 15世紀 丹波古陶館
壺 16世紀 丹波古陶館
壺 慶長二年(1597)銘 兵庫県陶芸館
壺 慶長十八年(1613)銘 丹波古陶館
壺 14世紀 日本民芸館
甕 14世紀 兵庫県陶芸館
甕 14世紀 日本民芸館
甕 15世紀 丹波古陶館
甕 16世紀 丹波古陶館
甕 14世紀 丹波古陶館
片口小壺 15世紀 兵庫県陶芸館
片口小壺 16世紀 丹波古陶館
小壺 16世紀 丹波古陶館
小壺 16世紀 
小壺 銘 一寸法師 15世紀 
小瓶 16世紀 丹波古陶館
大徳利 16世紀 兵庫県陶芸館
擂鉢 16世紀 
桶 16世紀
大皿 16世紀 丹波古陶館
肩衝壺 16世紀 丹波古陶館
胴締壺 16世紀 丹波古陶館
茶碗 銘 橋立 17世紀
茶碗 銘 朝路野 17世紀 丹波古陶館
耳付茶入 銘 生埜 17世紀 
肩衝茶入 17世紀 
香合 19世紀 
水指 銘 鬼こぶし 17世紀 丹波古陶館
四方水指 17世紀 丹波古陶館
耳付水指 17世紀 
手桶形水指 17世紀  
手付花生 17世紀
手付四方花生 17世紀 丹波古陶館
三角花生 17世紀 
朝倉山椒壺 17世紀 兵庫県陶芸館
朝倉山椒壺 17世紀 丹波古陶館
朝倉山椒壺 17世紀 丹波古陶館
朝倉山椒壺 17世紀 丹波古陶館
灰釉四耳壺 17世紀 丹波古陶館
赤土部釉四耳壺 17世紀 兵車県陶芸館
赤土部釉三耳壺 17世紀 兵庫県陶芸館
四耳壺 寛永元年(1624)銘 
赤土部釉葉文壺 宝永七年(1710)銘 兵庫県陶芸館
肩衝壺 17世紀 丹波古陶館
赤土部釉丸壺 17世紀 丹波古陶館
赤土部釉油壺 吉兵衛作銘 17世紀 丹波古陶館
釘彫蕪文三耳壺 18世紀 丹波古陶館
束柴桶 17世紀 丹波古陶館
灰釉束柴桶 17世紀 丹波古陶館
魚文甕 18世紀 兵庫県陶芸館
葉文胴紐桶 18世紀 丹波古陶館
赤土部釉甕 17世紀 兵庫県陶芸館
水字貼付文甕 喜左作銘 18世紀 丹波古陶館
赤土部釉甕 17世紀 丹波古陶館
赤土部釉甕 17世紀 丹波古陶館
赤土部釉船徳利 17世紀  
赤土部釉徳利 17世紀 兵庫県陶芸館
赤土部釉徳利 18世紀 
赤土部釉徳利 17世紀 
赤土部釉窯変徳利 17世紀  
赤土部釉徳利 18世紀 丹波古陶館
釘彫菊花文徳利 18世紀 丹波古陶館
土部釉輪花鉢 17世紀 丹波古陶館
赤土部釉崘花鉢 17世紀 兵庫県陶芸館
白釉墨流鉢 19世紀 丹波古陶館
海老文鉢 19世紀 丹波古陶館
赤土部釉薬研 17世紀 東京国立博物館
釘彫花文壺 18世紀 丹波古陶館


【著者について】刊行当時の情報です。
楢崎彰一 
一九二五年(大正十四年)、大阪府に生れる。京都大学文学部卒業。現在、名古屋大学助教授。
著書『日本の考古学歴史時代上・下』(河出書房)、『陶器全集33猿投窯』『陶磁大系5三彩・緑釉・灰釉』(平凡社)、『日本の陶磁古代中世篇』(中央公論社)ほか。

九原英樹
一九二六年(大正十五年)、福岡市に生れる。
朝日新聞の瀬戸通信局長時代に「永仁の壺」事件を取材。のち、名古屋本社学芸部を経て現在、東京本社出版局で美術図書を編集。著書『瀬戸=土と火の町』(日本放送出版協会)ほか。


監修   谷川徹三
編集委員 佐藤雅彦
     坪井清足
     楢崎彰一
     林屋晴三


★状態★
1977年のとても古い本です。
画像ではわかりにくいですが、函の外観は通常保管によるヤケ・しみ・スレあり。
カバー付き本の外観は、背を中心に経年並ヤケしみなどそれなりに中古感あり。
天小口、本文テキスト余白などに経年並ヤケしみありますが、カラー写真図版良好、目立った書込み・線引無し、
問題なくお読みいただけると思います。(見落としはご容赦ください)

<絶版・入手困難本>オークションにも滅多に出ない、貴重な一冊です。
古本・中古品にご理解のある方、この機会にぜひ宜しくお願いいたします。


★お取引について★
■商品が到着しましたら、必ず「受取連絡」のお手続きをお願い申し上げます。
■中古品です。それなりの使用感がございます。
モニタのバックライトの作用により、写真画像は実際よりきれいに見えがちです。
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誠実に対応いたしますので、ご安心いただけますと幸いです。

■上記の点をご了承頂ける方のみ、
ご入札くださいますようお願い申し上げます。

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