○ 1960年代から金属製ボディーにパイロット万年筆が誇る国光会の蒔絵師により、手塗り金蒔絵を施した高級金蒔絵シリーズの中でも初期に作られた、熟練の作家による署名花押が記されており、署名が無いものと一目で分かる鶴の表現が見事な逸品です。
〇 パイロット万年筆は1931年に創業者である並木良輔氏が蒔絵界の重鎮にして人間国宝の松田権六氏に依頼し松田氏を筆頭とした蒔絵師集団「国光会」を組織しました。それ以来、今も世界で唯一、社内に蒔絵師組織を持ち、国光会の名の下に蒔絵万年筆を世に出し続けています。
○ 艶のある蝋色仕上げの正に濡れた様な漆黒の地に種類の異なる細やかな金粉を蒔いて雲を描き、その雲を突いて翔ぶ二羽の鶴が優雅に力強く描かれています。白い鶴全体を銀を蒔いて表現し、羽根は誠に繊細な金線で描き分けられています。顔の表現も全く乱れが無く、正に一幅の名画を見る様な傑作です。
○ この当時の細身ながら丸みを帯びた柔らかなフォルムに良く合っていて、正装感が漂うとても品のいい万年筆になっています。蝋色仕上げの漆の美しさと金の美しさが見事に調和して、まるで黒紋付の様な正装感があり、どんな場所でも使い易く、また持つ人を引き立ててくれる万年筆です。
注意事項:目につく傷や凹み、漆の剥げなどは見られないと思いますが、古い万年筆ですので、完品をお求めの方、神経質な方は絶対に入札をお控え下さい。ノークレーム、ノーリターンでお願いします。なお、万年筆のみの出品ですが、保護を兼ねてクリア・コレクションケースに入れて発送いたします。
【商品の説明】
ブランド、メーカー:金蒔絵・洋作「翔鶴図」、パイロット万年筆
カラー・材質:金蒔絵(金属に本漆塗)、ゴールド・トリム
ニブ(ペン先):14金、字幅:F
インク補充方式:コンバーター、カートリッジ両用式(純正コンバーター付)
サイズ:全長:138mm (収納時)、最大胴軸径:14mm、重さ:12.60g(素人計測)
(2024年 11月 24日 19時 47分 追加)◯ 出品時には見落としてしまいましたが、全く漆は剥げていませんが、キャップのクリップ真後ろにごく小さな膨らみがあります。