某が、岡本憲将先生の本を読み、「そうだ、自分も、スリランカに行ってみよう・・・・・」と思ったのは、もう、20年以上前の事でございます。当時は、大多数を占めるシンハラ人と少数派のタミール人が、ドンパチと内戦を行っていた時代でした。ですので、飛行機は、ミサイル攻撃を回避する為、夜しか飛ばず、真夜中にコロンボに到着するという始末。不便で仕方がなかったです。そして、時々、バスや電車が爆破されますので、どちらもなるべく使わないように配慮していました。実は、出かける前に、スリランカ人に、「どうやったら、爆破されるバスや電車を回避できるか・・・?」と尋ねたら、「運に任せるしかない・・・」と言われたので、そのようにした次第でございます。
しかし、この頃は、まだ、あんな大津波がスリランカを襲い、しかも、コロンボの複数の高級ホテルで連続爆破テロが起こるなんて、誰も想像だにしていませんでした。コロナ禍と同じで、世の中は、何が起こるか、ワ・カ・リ・マ・セ・ン。2~3年後には、第3次世界大戦が起こるのではないかと危惧しております。
まあ、とにかく、初めてスリランカに到着したのは真夜中で、空港からタクシーで真っ暗な道を数十分走り、ホテルに連れて行ってもらいましたが、初めての国で真っ暗という事もあり、その事すらも少々怖かったのを覚えています。今は、平気ですけど・・・・・(笑)。そして、その翌朝、バイクタクシーで、ミニバスが集まる広場に連れて行ってもらい、そこから3時間ぐらいミニバスに乗り、スリランカの有名宝石産地「ラトナプラ」に行く事が出来ました。
バスから降りてしばらく歩くと、宝石を売り買いするエリアに到着しましたので、某も興味本位で覗いていると、いつの間にか、某の周りに人だかりができて、スリランカ人が次から次へと握りしめた宝石を見せに来ました。もちろん、彼らは、行儀よく1列に並んだりはしませんので、上から下から右から左から、そして、時には、後ろからも、宝石を握りしめた手が伸びてきました。しかも、1ケタの腕ではありません。2ケタの腕がニョキニョキとひっきりなしに伸びてきたのです。
某も、最初はそれに付き合っていたのですが、あまりにも自己中心的な売り方にだんだん腹が立ってきて、「一列に並べ」と覚えたてのシンハラ語で叫んだのですが、効き目は無く、しかも、一度見て断ったやつがしつこくしつこく何度も何度も見せてくるので、最後には、力任せにその場から逃げ去りました。
こういうのが何度かあったのですが、そのうち、なかなかいいルースを持っているおじさんが現れて、某は、その人の友達の事務所に行く事になりました。そこで買ったのが、今回のスリランカ産ルビーです。スリランカ産のコランダムは、ブルーサファイアを見ても分かるように、薄い色合いのものが多くなるので、赤系のコランダムの場合も、ピンクサファイアの割合がどうしても増えてしまうのです。濃い赤色の出ているルビーは、スリランカの場合、ものすごく珍しいです。だからでしょうか、かなり高かったです。値切りに値切ってですが、それでも、ピンクサファイアの2倍ほどの値段が致しました。でも、綺麗です。ビルマ産とも違うし、タイ産とも違うし、また、もちろんのこと、アフリカ産とも違います。かといって、スリランカ産の濃いピンクサファイアとも違うし・・・・・。当時はまだなかった、アフガン産やカシミール産とも異なります。この希少なスリランカ産ルビーは、いかがでしょうか?
*写真は、ピンクが強いですが、実物は、もっと赤色です。