- 重要文化財・飛行三鈷杵(弘法大師空海所持・高野山金剛峯寺蔵)がモデル
- 埒孝美作
- 本体部分約50mm 純銀(SV925)製 ロジウムコーティング
- 黒チョーカー付
- 清祓および開運祈願のうえお届けします
本作品のモデルである「飛行三鈷杵」(重要文化財)は、弘法大師空海が唐で授かり、日本に請来したものです。
伝説によれば806年(大同元年)、空海が「密教を広めるのにふさわしい地に導かれますように」との願いを込めて飛行三鈷杵を投げると、東の空に飛んでいったといいます。そして816年(弘仁7年)、高野山の「三鈷の松」にかかっているのを発見し、この地に真言密教の道場を開いたといわれます。
空海は飛行三鈷杵を真然(804~891)に授け、その後中院別当、定観、雅真、仁海と伝わり御影堂に奉安されていました。1088年(寛治2年)白河上皇が持ち帰られ1世紀以上ご皇室が保有されていましたが、1253年(建長5年)高野山に戻っています。現在は高野山の至宝として厳重に保管されています。滅多に公開されることはありません。
弊社では原型師として名高い埒孝美師に依頼し、この伝説の三鈷杵をペンダントとして格調高く再現いたしました。材質は「富貴を求めば、純ら銀で作れ」という蘇婆呼童子経の教えに従い純銀(SV925)を使用し、すぐに変色しないようロジウムコーティングで仕上げました。
蘇悉地経は三鈷杵の力として「是善成就者」「能成諸事」「悉能成就諸余事等」と明記しています。これを現代的な表現に直すと、あらゆる願いを叶え、仕事を成功させる、となります。三鈷杵ペンダントは、心強い御守りとなることでしょう。
★ ノーベル賞作家・川端康成が愛用
ノーベル文学賞を受賞した川端康成も三鈷杵を所有し、文鎮として愛用していました。『川端康成全集』第三巻(昭和44年刊行)の口絵には愛用の三鈷杵の写真が使われており、川端自身が解説で、
「金剛杵はもとはインドの武器であるが、密教の法具となつた時は、象徴的な形を取つて、煩悩の賊を討ちほろぼす具とした。<略> 杵や鈴を身邊におき、机上に使つても、それらの法具の心はなんとなく通つて来る」
と書いています。あの美しい川端文学を導いたのは三鈷杵だったのかも知れません。
古美術に造詣の深かった川端は随想集「月下の門」の中で次のようにも述べています。
「古美術、あるひは骨董といふものは、最もいい時代の、最もいい作家の、最もいい作品を、これが私に與へられた教訓である。三流品や四流品でも『楽しめる』とよく言ふが、楽しめるでは趣味や道楽で、楽しめるにとどまるだらう。いいものに出会ふと自分の命を拾つた思ひがある」
「三鈷杵ペンダント」は生まれたての新品ですが、現代最高峰の原型師が心血注いで作り上げた逸品です。川端康成にプレゼントしたら、きっとにっこり微笑んで喜んでいただけたと思います。