御存知!名ギタリスト故Paul Kossoff在籍 衝撃のデビュー作 Free 大傑作1st「Tons of Sobs」最新リマスター仕様版 輸入盤
2016年毎度御馴染みAndy Pearce(Jimi Hendrix未発表ライヴ/音源、Universal関連アーカイヴ作品等)による本国最新リマスターとなります。
現在主流で情報量重視で知られる「フラット・マスタリング方式」による模様でございますが非常にアナログ感が有り、
非常に良心的な音質となっております。
内容は言わずもがな。
ラインナップは名手揃い、Paul Rodgers(Vo)、故Paul Kossoff(G)、Andy Fraser(B、P)、Simon Kirke(Ds、Per)となります。
ゲストにかのSteve Miller(後にCaravan)が参加致しております。
プロデュースは故Guy Stevens(Island Recordの別部門運営に携わり、後にプロデュース/マネージメント業も兼ねる)、
エンジニアはかの故Andy Johnsとなります。
(Led Zeppelin、Humble Pie、Delany & Bonnie、West,Bruce & Laing等に制作で関わり、八十年代はHR/HM系プロデューサーとして名を馳せる)
1968年10月~12月英国・ロンドンかの”Morgan Studio”にて制作となります。
(活動の合間の制作で、10月8・11・17・22日が大半の録音の模様)
プロのミュージシャンを目指してロンドンに現れ、様々なバンドで活動していたPaul Rodgersと
Blue/Rock系のバンド”Black Cat Bones”に在籍していた故Paul Kossoffの邂逅から始まるバンドでございます。
互いの演奏や音楽性で非常に共鳴した事から自身のバンドを結成を目論み、それぞれのバンドを離脱。
”Black Cat Bones”での同僚だったSimon Kirkeを更にスカウト。
そして”John Mayall & the Blues Breakers”に在籍しているものの(金銭に絡む)バンド運営の有り方と音楽性に非常な不満を抱えていた
故Andy Fraserが解雇となり、故Alexis Cornerの仲介でバンドに加入しラインナップが確定。
Paul Rodgersが用意したオリジナル楽曲を基にBlue系カバー楽曲を加え独自のアレンジを施し、早速ツアーに勤しむ事になります。
当時はロック音楽の変革期真っ只中。
Blue/Rockの新展開と言う音楽性の新鮮さや全員十代という年齢もあり早速注目を浴び、”Island Record”が白羽の矢を立て契約。
活動の合間にデビュー作制作に打ち込む.................という経緯がございます。
(そもそも10月には録音が終わっていた模様でございますが、
カバー楽曲”The Hunter”の反響の強さに注目したレコード会社がバンドにその録音を促し12月に録音。
リリースのタイミングが遅れる経緯もございます)
Blue/Rockの新展開であり、当時のロック音楽の多様性の重要な一つという感のある音楽性でございます。
当時かのJeff Beckが提唱した(かのJimmy Pageが盗用し”Led Zeppelin”の音楽的アイデアの基となった)
「BluesとRock音楽を融合し、衝撃を加えた音楽性」に繋がる感がございます。
されど、Paul Rodgersが持つ英国トラッド系の(ポピュラー系絡む)メロディ感覚が上手く練り込まれており、そこが一線を画す感がございます。
正直演奏面の粗さやリズム隊のシンプルさが目立ちますが、非常に躍動感溢れる演奏・アンサンブル。
次作からは演奏・アンサンブルのみならず音楽性も洗練度を増していく事があり、今作は非常に貴重な感がございます。
制作予算が非常に限られていた事がございますが、非常にライヴ感溢れる音造り。それが功を奏した感がございます。
Paul Rodgersのヴォーカルは非常に若々しいもの。
非常に伸びやかではあるものの非常に豪快。また(後程では無いものの)繊細さも加わったもので、表現力豊か。
Paul Rodgers曰く「(Jeff Beck Group時代の)Rod Stewartに憧れていた」という後の回想が理解出来るもの、
また某名ヴォーカリスト曰く「Bad Company時代よりもFree時代が好き」という発言も頷けるものでございます。
故Paul Kossoffでございますが...............................
「非常に細い弦を張ったギターをベース・アンプで鳴らす」という特殊さがございますが、表現力は恐るべきもの。
これで17歳程の年齢でございますから、驚異的。
フレーズのセンスも抜群で、後の早い逝去が惜しまれるものでございます。
また、後の陰鬱とした感覚は無いもので非常に弾けた感覚の演奏が聴かれるのもミソ。非常に貴重な録音の感がございます。
後々にも制作に関わった故Andy Johnsが故Paul Kossoffの死に対し、非常に忸怩たる思いをしていた事が理解出来、
また麻薬問題に絡んだ死でもあり、その問題が無ければ..............と悔やまれる才能でもございます。
リズム隊は演奏に甘さがある面がございますがAndy Fraserのフレーズは興味深いものがあり、
後々にPaul Rodgersとバンド音楽性の基礎創造性を担う事が伺えるものでございます。
(但し、様々な音楽性の制作に携わり既にキャリア組であったLed ZeppelinのJohn Paul Jonesの持つジャズ的な客観性とは異なる感覚。
後にPaul Rodgersと対立する事が判る感がございます)
非常に注目を浴びたものの、セールス的には不振。
音楽性の修正が図られる事となり、今作の音楽性は今作限りとなります。
同年1月にLed Zeppelinの1stが登場、非常な注目をアメリカで浴びる事となります。
運命の分かれ道という感がございます........................
「皆若過ぎた。(故Peter Grantの様な敏腕マネージャーがいなかった事もあるが)Led Zeppelinみたいにはなれなかった」
との某メンバーの回想がございました。
上手くいっていれば、今作の音楽性を継承・発展させていれば.......................................................との感がございます............................................
この機会に是非。