■モータウン・レーベルの、スプリームズ（昔、日本では「シュープリームス」と呼ばれていました。）のメンバー、メアリー・ウィルソンの自伝、"Dreamgirl: My Life As a Supreme"が大ベストセラーになって、1981年ブロードウェイでミュージカル化されました。ミュージカルの題名が、"Dreamgirls"と複数形になっている所からわかるように、メンバー全員にスポットをあてて、群像として描いています。

■翌1982年、トニー賞13部門にノミネートし、脚本・主演男優・主演女優・助演男優・最優秀振付・最優秀照明デザインの六部門を受賞。オリジナルキャストCD（出品中）も大ヒットし、最優秀ショーアルバム、R&B最優秀女性パフォーマンス（Jennifer Holidayの"And I am Telling You I'm Not Going"）で、グラミー賞を受賞しています。

■ 1522回公演が続き、85年８月11日に終演した、伝説の舞台が、2006年に映画化されました。アカデミー賞では、６部門８ノミネートの後、ジェニファー・ハドソンの助演女優賞と、音響編集賞を受賞しています。主題歌賞に三曲のノミネートが話題になりました。ちなみに、ジェニファー・ハドソンは、英国アカデミー賞でも、助演女優賞です。ゴールデングローブ賞では、ミュージカル・コメディ部門の作品賞、エディー・マーフィの助演男優賞、ジェニファー・ハドソンの助演女優賞です。

■実は、ミュージカル終演後に映画化の企画が立ち上がって、ディーナはホイットニー・ヒューストン、という話でした。うわさでは、"And I am Telling You I'm Not Going"を歌いたいと要求して、この話は消えていったそうです。また、ジョエル・シュマッカー監督が、ローリン・ヒルを起用した企画が生まれましたが、こちらも消えていきました。歴史を変えたのが、2002年、『シカゴ』の映画化の大ヒット。この時から、名作ミュージカル映画の何度目かの黄金期を迎えます。

■ビヨンセは、インタビューで、役作りダイエット10kg減量秘話を語っています。二週間、お水・唐辛子・メイプルシロップ・レモンのジュースを飲み続けたそうです。ディーナは、誰かに言われるがままに動く、ソウルがないスターなので、歌う場面は簡単だったと語っていますが、そんな役作りを成功させたのが、782人のオーディションから満場一致で選ばれたという、ジェニファー・ハドソンのソウル溢れる素晴らしいパフォーマンスです。圧倒的な存在感は、誰もが絶賛するものになりました。

■一年がかりで作ったデビューアルバムの、シングルカット"Spotlight"は、ビルボードの、R&B/ヒップポップチャートで一位。劇場版『セックス・アンド・ザ・シティ』に出演して、TVシリーズにはなかった、"All Dressed Up In Love"を歌っています。2008年民主党大会で、オバマのリクエストで、『星条旗よ永遠なれ』を歌いました。その後、婚約発表直後に、あの、母・兄・甥の三人の殺害事件が起こりましたが、2009年２月のスーパーボウルの『星条旗よ永遠なれ』で、復帰。マイケルジャクソンの追悼式で"We You Be There"を歌いました。これからが楽しみなアーティストです。

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