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LED ZEPPELIN / YOUR KINGDOM COME SEATTLE 1977 【3CD+3DVD】
LED ZEPPELIN / YOUR KINGDOM COME SEATTLE 1977 【3CD+3DVD】 [浏览雅虎原始页面]
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■1977年7月17日シアトル公演の音と映像のセット
■サウンドボード音源とプロショット映像で収録
■映像はSBDのみ、AUDのみ、SBD&AUDステレオ・ミックス、2種類の5.1サラウンドと、5種類の音源が選択できるマルチオーディオ仕様。

書籍「コンサート・ファイル」には、あなたの家にツェッペリンのブートがあれば、それはおそらくデストロイヤーであろう、との記述がある。1977年の代表的な音源としてサウンドボードで収録された1977年4月27日クリーヴランド公演は、古くから定番音源として親しまれてきた。しかしご存知の通りデストロイヤーにはオープニングの「永遠の詩」の途中からの収録であり、その他にも欠落部分が散見される。これだけ音源が豊富な1977年ツアーにおいて不思議なことに同日のオーディエンス音源というのは発掘されておらず、いまだ完全収録というものは存在しない。しかし1977年のツアーにおいてはデストロイヤー以外でもサウンドボード音源が存在することが近年知られるようになった。そんな中のひとつが本作に収録の1977年7月17日シアトル公演である。このシアトル公演は1977年で唯一プロショット映像も残されており、ツェッペリン・ファンにとっては重要なコンサートとなっている。

【音源について】
多くの既発タイトルと同様、本作も映像由来のサウンドボード音源が使用されている。しかし元映像の音源は音量レベルの上下や欠落部分などがあり、けしてそのままというわけにはいかなかった。本作では音量レベルを調整し、また欠落部分はオーディエンス音源で補完することにより完全収録となっている。

【映像について】
最も気になる画質は、既発盤より確実に2ランクはアップしているロウ・ジェネレーション・ソースを使用している。画質の良さを最大限活かすためにビットレートを落とすことなく3枚のディスクに渡り余裕をもった収録となっている。鮮やかで自然な発色は対象物間の色の滲みも最小限に抑え、オフィシャル『DVD』にこのコンサートが未収録なのを考慮すると、現在考えうる最高の画質と言える。さらに従来の画面では、プラントのアップが主な正面からのカメラに、画面上部や左下部に白いコマ落ちのようなノイズが終始現れ非常に気になっていた。恐らくこれはカメラそのものか、編集の過程で付着したノイズで、画面の切り替わりに関係なく終始ずっと乗っているものであった。しかし本作ではそのノイズは存在しない。小さく白い「点」みたいなノイズではあったが、結構目立つ位置にあったので、そのノイズがない、これは画質と共に大きな利点のひとつと言えよう。高画質に加え、ノイズが載っていないクリアな画面、贅沢に3枚組だからこそ実現した最高の映像なのである。

【音声について】
DVDの音声については、マルチ・オーディオで収録されており、視聴の途中でも切り替えられるようになっている。まず第1のメインとなるサウンドボード音源である。デジタル・リマスタリングにより厚みのある高音質なものになっており、硬質な音像ながらこれだけ抽出しても充分にライヴ・アルバムとして成立するくらい、音源だけでもこのライヴのベストと言えるものである。

第2ソースのオーディエンス音源は、このソースのファースト・ジェネレーション・テープを使用し、既発盤よりもかなり高音質アップグレードとなっている。この時代のテープにありがちなピッチの複雑な乱れがあったが、当然それだと映像に遭わないので入念にピッチ調整がなされている。音源が映像にしっかりリンクしているのを見ると、まさに完璧な調整といえる。サウンドボード音源があるために看過されがちだが、このオーディエンス音源も他の1977年のライヴと比べ高音質の部類であるどころか、むしろ臨場感ではこちらの方が勝っており、サウンドボード音源では感じる事が困難だった客席の盛り上がりなども追体験できる。

第3のソースは、オリジナルのサウンドボード音源とオーディエンス音源をマトリクスした音源が収録されている。サウンドボード音源のリアルな音と、オーディエンス音源の臨場感の両方の利点が活かされ、重厚で実に素晴らしい音になっている。しかも基本的に左側スピーカーからサウンドボード音源、右側スピーカーからオーディエンス音源が出るように振り分けられており、今までモノラルでしか聴けなかったこのコンサートを、擬似ながらステレオ効果が新鮮なバージョンで聴くことができるようになっている。このシアトルでのコンサートはエコーが希薄でスカスカのサウンドボード音源でのみ評価されてきたため、ライヴとしてはいまひとつの出来であると言われてきた。しかし、この素晴らしいオーディエンス音源とサウンドボード音源のマトリクスで聴くと、けしてその評価は妥当なものではないということが分かるばかりか、むしろこのコンサートがロサンゼルスなど他の名演にも劣ることのない素晴らしいものだと認識を新たにすることだろう。

第4と第5のソースは2種類の5.1CHサラウンド音源が収録されている。既発盤でも5.1CHサラウンドを謳ったものがあったが、実際に再生してみると単にモノラルの同じ音源を5つのスピーカーに振り分けただけの意味のないものがほとんどであった。本作はそれらとは一線を画し、基本的には正面のスピーカーはサウンドボード音源、後方のスピーカーはオーディエンス音源になるように振り分け、さらにギターが右側、ベースが左側に振り分けられ、それぞれのスピーカーから異なる音が出るという、本来の意味での5.1CHサラウンド仕様となっている。この効果が素晴らしく、実際にスピーカーに挟まれて再生してみるとまさに会場の中にいるような錯覚にとらわれる。バランス比率が異なる2種類の5.1chサラウンド音源が収録されているので、どちらか好みで選んでいただけたらと思う。

【ボーナス映像について】
最後にボーナス映像にも注目である。ボーナス映像ということで、本編とは別に、あえて実験的な映像が収録されている。実験映像なので、まじめにあれやこれやと肩肘張らず、お遊び半分で、純粋に楽しんでいただけたらと思う。

まずボーナス映像のトップは、1977年5月18日アラバマ公演における映像に『LISTEN TO THIS EDDIE』の音声を被せたものを収録。この組み合わせはオフィシャル『DVD』のメニュー画面でも見る事ができたが、ここに収録のものは下部にメニューが被らないバージョン。動きがカタカタ早回しになっていた『DVD』に比べ動きが自然なのにも注目して欲しい。

次にシアトルの映像に『LISTEN TO THIS EDDIE』を被せた「Sick Again」「Over The Hills And Far Away」「Ten Years Gone」「Achilles Last Stand」の4曲である。違う日の音と映像が合うのかという疑問は、これを見ていただければ杞憂に終わるだろう。日が近いためか演奏も近く、ほとんどリアルタイムの音声と見間違うくらいによく出来ている。しかも演奏はご存知のとおりのスーパー・パフォーマンスなので、キワモノ的ではあるが、エディを映像付きで見たい!というマニアの夢を具現化する実験企画である。

次に1977年6月23日ロサンゼルスでキースムーンが飛び入りした「Rock And Roll」の8mm映像。同レーベルのCD『FOR BADGEHOLDERS ONLY』の音源を使用し、映像の欠落している部分を当日の写真などで補完し、1曲通して見ることが出来るようにしたものである。しかも手ぶれが酷かったこの映像を、最新技術により手ぶれ補正(stable)を行ない(画面の枠に注目!)、安定した映像で見る事ができる。キースムーンの暴れっぷりに苦笑しながら演奏するジミーの姿を鮮明なカラー映像と安定した画面で楽しむことができる。

続いて1977年6月11日ニューヨークはマジソン・スクエア・ガーデンでの「The Song Remains The Same」を収録。オーディエンスショットで広く出回っている映像で、ご存じの方はわかると思うが、かなり手ぶれが酷くて非常に見づらい映像であった。本作に収録のものは、先のキース・ムーン飛び入りと同様、最新技術により手ぶれを補正して比較的安定した映像で楽しむ事が出来る。

ボーナス映像最後の2曲は、まず1975年5月24日アールズコートの映像に『HOW THE WEST WAS WON』の音源を被せた「Rock And Roll」である。ビジュアル的に最も美しい1975年の映像と、1972年の最強時代の演奏を重ねるとどうなるか・・・という実験映像である。お馴染みの映像なので違和感があることは否めないが、音と映像はバッチリと合っているので、その映像美と圧倒的な演奏の「あり得ないけど理想的な」組み合わせに目が釘付けになる。同様のコンセプトで1979年9月4日ネブワースの映像に同じく『HOW THE WEST WAS WON』の音声を加えたものを収録。これも年代を超えて最強のツェッペリンを疑似体験させてくれる。

以上のように本作には本編とは別に、多彩なボーナス映像が収録されている。どれも実験的なものなので、なかなか文字ではその魅力を伝えづらいのだが、実際に見てみると実に良く出来ているので、マニアであるほど楽しめること間違いない。本当に肩肘張らずに純粋に楽しんでもらいたいと思っている。

【YOUR KINGDOM COME SEATTLE】
1977年7月17日シアトルはキングドームでのライヴをサウンドボード音源とプロショット映像で完全収録。さらに音声は2種類の5.1CHサラウンド、サウンドボード、オーディエンス、サウンドボード+オーディエンスのマトリクスと、5種類のソースをそれぞれ独立して楽しめるよう切換えで収録。3枚のDVDの収録可能データ量を目イッパイ使って、DVDの機能と特性をフルに活用している。加えてメニュー画面のバックに流れている「Jimmy Page Guitar Solo」は1977年6月23日ロサンゼルス公演、バッジホルダーの日のサウンドボード音源である。音源としても映像としても、シアトル公演の決定盤であろう。既発盤をお持ちの方は是非本作を見比べて頂きたい。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。
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