ミャンマー（旧ビルマ）の「カラガ」という壁掛けです。インドネシアやインドの布を蒐集する過程で、世界の染織の参考資料として持っていました。昔、日本に入ったもので、観光客向けに最近作られたお土産品ではないことを保証します。「ミャンマー　カラガ」で検索されると分かりますが、新しいのを除き、本格的なものはほとんど無く、珍しい染織です。
　カラガは、守護のため裕福な家庭や寺院・宮廷に掛けられ、祈りに使われた儀礼用布です。一面、金属円板やグラスビーズ、木綿色糸や金糸の刺繍で隙間なく埋め尽くされています。古いものは、立体感があり、プリミティブな力強さが感じられます。この一枚を作るのに、驚くほど手間と根気がいったことでしょう。
　時代の下るものは、明るい色の科学染料で染められた布や糸、ピカピカの金属円板やグラスビーズなどが使われています。しかし、出品の品は、目に優しい色合いの天然染料で染められた糸で刺繍され、7、8枚目のアップ画像から、金属円板や糸や生地の繊維も全て古いものであることがお分かりいただけます。また、グラスビーズも、ルーペで10倍に拡大して見ると（9枚目画像）、全ての表面に経年の傷が付き、そこに埃が深く入り込んでおり、どれ一つ新しいものはありません。
　状態ですが、汚れやほつれ、パーツの欠損部分などが見られますので、古いものであることをご理解の上、ご入札をお願いいたします。カラガは、この一枚しか所有しておらず、このような本格的なものには、現在ではもう出会えないでしょう。整理のため、最近お土産品以下の価格で出品しますので、お好きな方で大切に引き継いでくださる方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします。

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