製品: バンダイ HGUCシリーズ
サイズ: 1/144スケール
使用頻度:2024.05/24完成
HGUCネモのエゥーゴ版です。 演出として自作水転写デカールでアーガマの搭載艦コード表記「AG(A.E.U.G AG ARGAMA)」を製作してあったのでこれを使用したくて作った次第です。
量産MSのキットとしてはかなり優秀な部類にはいり0080のジムスナイパー2とルーツを共有する伏線からか製品としての構造もかなり似通っています。脚部の柔軟な関節構造などは飾り気こそないにしろモデラー的にとても信頼性の高い接地性を持つと評せます。
製品仕様だと肩や脚部のノズル内径色のレッド部がシール再現なので本格的な塗装ができないビギナーとは製作難度の評価がわかれるところ。 私としても肩の側面ノズルのレッド部が特に仕上げにくいと考えていたもので、今回は別パーツに配色を配分し造形面から難点の改善をはかってみています。
キット構成への工作点
頭頂メインカメラまわりから耳まわりへかけるライン(グリーン部)を彫りなおし。 スミ入れ塗料を定着させやすくするための定番工作です
顔面部のアゴの両脇ラインも同様に彫り直し
胸部パーツ上面の首の取り付け部の両側へむけて×2ずつスジ彫りし、肩を上下させるパネル(画像のガンメタ面)があるようにみえるよう加工。 1/100マスターグレード品では実際にある造形です。この作例においては実際に動くかどうかという事ではなく、胸部の装甲分割線を考察した場合、腕の取り付け軸の下方(脇の下)には分割線があるのに上部にはない という疑問点を解消したいがための加工。 いわばクルマのバンパーとボンネットの境界線が見当たらない みたいな点のツッコミ工作です。
肩側面の四角いノズル内径にコトブキヤMSGの四角バーニアを追加しレッドのバーニアノズルの形状を新造。 もともとの製品仕様では四角ノズルの内側だけをレッドで塗装して仕上げますが、この内径にまで肩パーツの合わせ目が通っているため完全にキレイに仕上げるにはマスキング塗装などまで地味~な手間がかかります。 これを内径に別パーツ化したレッドのノズルを追加することで造形的なメリハリをつけました。
足首前面カバー装甲のあとハメ工作。 厳密には手を加えているのは足首フレーム側の左右に生えている取り付け軸です。これを短縮することで、装甲の合わせ目を消して塗装完成させたあとからでもフレーム側にかませてはめ込めるようにしました。
手首の甲カバー(汎用型)×4をアタッチメントとしてきちんと製作。 ネモの手首装甲は専用形状ですが、優秀汎用手首「MP-1」ランナー付属の製品のためジム系の通常手首形状のパーツがついています。説明書では「×」のついた不要パーツ扱いですがちゃんと使えますので好みにあわせて活用できるようにしました。 劇中終盤、ティターンズを追い込んでから生産されたエゥーゴ派閥の連邦正規品なのだ~とかの自己満演出にでもお使いください。
また、私のこれまでの出品作例にもあるようにメッキビーズ使用による細部ノズル追加工作とステンレス針を打ち込んでのピン打ちリベット追加工作もおこないました(彩り追加の工作)。
全体の基本的な製作は 各部接着を経ての合わせ目処理&パーティングライン処理・サーフェーサー・ガイアカラーによる塗装(つや消しコート含む)。 ガンプラを完成製作させるスタンダードな工程でおこなっています。 スミ入れはタミヤのエナメル塗料流し込み。色はグレーまたはブラウン系を使用しています。 スミ入れ塗料が定着しにくい形状の部分などには0.05mmマーカーでのふき取り手法も使用しています。
塗装パターンはゼータガンダム劇中カラーがベース。
配色パターンの変更も数か所あり
1.頭部側面の耳にあたる〇(まる)い面をホワイト化
2..肩の上面に追加したパネル面(胸部のブルー色からガンメタ部)
3.前腕部の挟み込みになっているヒジ関節(グリーン部をガンメタ化)
4.前腕部の前面側(グリーン部をブラック化)
5.胸部ダクトの内径色(イエロー部をガンメタ化)
ビームライフルは銃身・側面ライン・グリップなどで配色細分化。
フレームや関節類の塗装にはグレーではなく調色したガンメタルを使用。純色バイオレットを混ぜてのパープル寄りのガンメタル。
ヒジやヒザ関節のインナーフレームはパールゴールド。 これらメタル系は外装部と違いクリアー表現です。
以下、カラーガイド(※比率の%は曖昧な感覚的数値です)
グリーン部 ビリジアン80% サンシャインイエロー20% シャドー部にはブラックでやや暗くしたものを使用
ダークブルー部 ウルトラブルー50% マイザーパープル30% ブラック20% シャドー部にはブラックで暗くしたものを使用
レッド部 スカーレット60% ブライトレッド40%
イエロー部 オレンジイエロー80% ホワイト20%
ブラック部 ブラック80% ホワイト20%
関節などのガンメタル部 シルバー60% 純色バイオレット20% ブラック20%
ゴールド部 スターブライトプラス100%
ビームサーベル 発生部 ホワイト100%→全体 蛍光イエローグリーン100%→先端 蛍光ブルーを混ぜて暗く のグラデーションパターン
細部に使用した市販品デカールは主にハイキューパーツ製。RBコーションデカールを主体に使用。 全体的に暗い色なので全面的にホワイトの書体を使用しています
バンダイ製水転写デカールも若干使用あり
1.右肩にエゥーゴの所属表記「A.E.U.G」
2.腰フロントアーマー右に搭載艦コード「AG」、左にエゥーゴのエンブレム、リアアーマー右にアナハイムエレクトロニクス「AE」
3.シールド面にはエゥーゴのエンブレム/所属表記「A.E.U.G」/搭載艦コード「AG」(ホワイト)
機体のナンバリング表記「05」はTRデカール (左肩/腰フロントアーマー右/左脚/シールド)
そのほか一部でクラウドデカールも導入して細部表記に使用してあります
自作品の水転写デカールも数種を使用。 クリアデカールにレーザープリンターで印刷したもので水ににじむ心配なく使用できるものです。 定着にはかなり強めな軟化剤(10秒もつけるとデカールが溶解するスーパーハードタイプ)を使用。
1. 母艦であるアーガマの搭載艦コード表記「AG(A.E.U.G AG ARGAMA)」(ブラック) 表記は公式資料から抜粋。ネェルアーガマやラーカイラム等の市販品デカールになぞらえたかたちにデザインしたものです。 市販のバンダイ製水転写デカールにもありますがデザインが「AG」のみで前後の所属表記とスペル表記がありません。グリプス戦役は連邦軍の内戦であってティターンズと戦っているのだからここは必要なところじゃないのか という考察から独自にバージョンアップしたコード表記でございます(先に出品したゼータガンダムも同様です)。 使用箇所は 右腕側面/右脚スネ前面
2.関節可動部警告表記BEWARE・CAUTION、手首ナックルインパクト など諸々のお約束デザイン(歴代の自作デカールの累計)。 製品版には無いデザインやカラーを使うため、前述したエンブレムのようなシンボル的なものだけでなく関節まわりの目立たせる警告表記などに多用しています。
機体各所にビーズ工作及びピン打ちによるメタル調細部ディテール工作もしてあります。色はゴールドメッキとシルバーメッキ。サイズは1.5mmと2mm。 装着する箇所の配色別でゴールドとシルバーの使用選択をおこなっています。
ピン打ちリベット工作に使用しているのは有頭5号針(針の軸側0.6mm)です。針の太さとドリル開口穴のサイズをあわせ、接着なしにスナップフィットさせて固定しています
機体本体以外の付属品は
ビームライフル グリプス戦役時代のジム系列と同型のモデル。フォアグリップが可動します
シールド 伸縮機構は差し戻し構造です
ビームサーベル×2 グリップは腰背面に装着している×2をそのまま使用。取り外しの際には引き抜かず装着ラッチカバーをはずして取り出してください(塗装面保護)
手首バリエーションは純正手首。表情手首ランナー「MP-1」ランナー使用の製品なので非常に多彩です
ライフル保持手首(右)/サーベル保持兼握り拳(左右)/握り拳(左右)/平手(左右)/ 全合計 7個になります
汎用形状の手首装甲×4
ホイルシール(未使用)
組立説明書
以上です。
私個人の事情としては「ジョニーライデンの帰還」ネタ作例としても重宝するキットなので、MS戦力として強力でなくともゼータや百式なんぞよりよっぽど貴重でして。 資材さえ揃えられるようならばいずれまたFSS艦隊機でも作れればと狙ってはおります。
そういったエース機とは異なる「一般機」の再現にこだわりのある方々にどうぞ。