
今回出品するナカニシ ウクレレについて今の方は知らない方も多いかもしれませんが、ナカニシ ウクレレ、nakanishi ウクレレというウクレレ界の宝とも呼べるウクレレを出品します。
ナカニシ ウクレレは、1958年から日本のウクレレ界を支えてくれた歴史に残すべき、決してわすれてはいけないウクレレです。
このウクレレを製作した名古屋在住の中西清一さんは、日本のハンドメイドウクレレビルダーのパイオニアで、米国へたくさん輸出し、米国でもその作りの素晴らしさでの評価の高さ、またウクレレ好きから常に尊敬を受けました。
あのウクレレの神様と呼ばれるオオタサンからも非常に高い評価を受けオオタサンの自宅に遊びに行くこともあった友人である、ウクレレビルダー界の日本ウクレレ界のレジェンドです。
中西さんはすでにお亡くなりになっておりますが、お弟子さんには、あのセイレンウクレレや、TSウクレレで有名な今やウクレレ界の第一人者の高橋信治さんがおります。
その高橋信治さんも尊敬の念を寄せる巨人が中西清一さんです。
ナカニシ ウクレレは、ヘッドのロゴを見るとわかると思いますが、1958と記載あるように1958年創業という歴史のある工房です。
まさに、日本ウクレレビルダー界のレジェンドと呼んでも過言では無い方です。
中西清一さんは、今や日本ウクレレビルダー界の第一人者のTSウクレレ、セイレンウクレレの社長として大活躍の高橋信治さんの師匠になります。
自らが、大ビルダーだけではなく、現在の大ビルダー育てた、本当に凄いビルダーです。
しかし、中西清一さんは、2013年に生涯を終え、故人となられました。
その中西清一さんの超激レアの中の超激レアの作品になります。
1980年代のナカニシ ウクレレになります。
型番が、PM 10T となってまして、PMとつくので、おそらく80年代に作られた、ナカニシウクレレでも、40年以上前のビンテージ品になります。
そんなビンテージ品なんで、非常に骨董品的な価値もあるテナーウクレレです。
このウクレレは、物凄いスペックのウクレレになります。
まず、珍しいのはナカニシのテナーウクレレということです。
中西さんは、マーチンタイプのソプラノウクレレを中心に製作していて、ほとんどテナーウクレレは作っていないんです。
このウクレレは、テナーウクレレなんで、ナカニシとしては、本当に貴重な一本なんです。
本当にレアなテナーウクレレです。
そして、非常に珍しいのが、トップがスプルースの単板で、サイドバックが超高級木材のホンジュラスマホガニーを使っているんです。
中西さんは、マーチンモデルを多く製作してきたので、オールマホガニーや、オールハワイアンコアのウクレレを非常に多く作ってきました。
ですんで、このトップスプルース、サイドバックがホンジュラスマホガニーのテナーウクレレは、ナカニシウクレレでも、超激レアのウクレレなんです。
しかも、単なる激レアなだけでなく、素晴らしい音色のウクレレなんですよ。
トップにスプルースにサイドバックにマホガニーを使うのは、ギターでは、定番の組み合わせになります。
あの世界的ギターメーカーのマーチンのギターで、D18という40万円を超えるギターがあるんですが、それもトップがスプルースで、サイドバックがホンジュラスマホガニーを使ってます。
あのマーチンが使うぐらいの組み合わせですから、悪い音色のはずがありません。
また、最近の個人ウクレレビルダーさんでもトップスプルース、サイドバックはマホガニーという組み合わせは、よく製作されてますね。
とにかく音色は抜群良く、かつ音量が凄く出る非常に良いウクレレになります。
スプルースの物凄い音量と明るさと、きらびやかさ、そしてホンジュラスマホガニーの甘さ、深みが相まって何とも言えない素晴らしいサウンドを奏でてくれます。
とにかく、スプルースと、マホガニーは相性が抜群に良いんです。
本当に黄金の組み合わせがこのスプルーストップ、ホンジュラスマホガニーサイドバックなんです。
このテナーウクレレに関しても、物凄い箱鳴りで、凄い音量がでます。
でも、甘さや、深みもあるんですよね。
素晴らしい音色です。
しかもなんです、写真を見てもわかるように、超激レアで、超希少木材のキルテッド杢のホンジュラスマホガニーを使っているんです。
これ物凄いことです。
キルテッドマホガニーは、本当に希少で、滅多に手に入らない超希少木材なんです。
しかも、それが超高級木材のホンジュラスマホガニーのキルテッドマホガニーなんです。
本当に激レアの中の激レアのテナーウクレレです。
しかも、バックは単板なんです。
素晴らしいですね。
ただし、サイドは何故か合板を使ってます。
ここは謎ですね。
普通中西さんは、サイドバックは単板を使うのに、バックだけ単板なんです。
しかし、キルテッドホンジュラスマホガニーの単板をバックに使うのは凄い事なんです。
ここで、ホンジュラスマホガニーの説明をいたします。
ホンジュラスマホガニーという木材は楽器用木材としては超高級木材で、あの天下のマーチンもマホガニーにはホンジュラスマホガニーしか使わない、最高のトーンウッドです。
今世間で、マホガニーと呼ばれているのは、アフリカンマホガニーや、サペリのような比較的安価な木材が使われてます。
ホンジュラスマホガニーとは、ワシントン条約という種の保存を目的とした国際条約で、現在はその取引規制対象木材になっている木材です。
非常に音色が良く、あのウクレレ界の王様のマーチンが使うほどの良質な木材の為、今や大変貴重になってしまった木材で超高級木材です。
音色が良すぎて、乱獲されたのが原因です。
トーンウッドで、一番高額のブラジリアンローズウッドと状況は同じです。
そんな木材が、ホンジュラスマホガニーです。
非常に甘い音色を出してくれ、経年してどんどん深みが出てくるのが特徴の木材です。
本当に素晴らしい音色の出るテナーウクレレですね。
音量も非常にありパワフルで、本当に素晴らしいです。
そんな素晴らしい木材がホンジュラスマホガニーなんです。
こんな素晴らしい木材を使っているのが、このテナーウクレレです。
そして、もっと凄いのは、テナーウクレレという大きなウクレレなのに、バックの超希少木材のキルテッドマホガニーが1枚板なんです。
普通は、ブックマッチと言って、2枚の板を並べてボンドで貼り付けて一枚のバック板を作ってます。
ご自身のウクレレを見ると、ボディーの真ん中につなぎ目があるのがわかると思いますが、これがブックマッチです。
ボンドで、2枚の板をくっ付けてます。
しかし、このウクレレは1枚板でブックマッチでは無いんです。
これ凄い事なんですよ。
ホンジュラスマホガニーは貴重な木材で、バックを1枚で作れるほど大きな板が手に入らないんですよ。
普通は、そんな超貴重な大きなホンジュラスマホガニーなんて持っていないので、細いホンジュラスマホガニーの板を切ってブックマッチにして1枚の板にしか出来ないんです。
1枚板の良さですが、つなぎ合わせの補強が必要無くなり、振動の妨げが少なく、より自然な素晴らしい音色を奏でてくれます。
見た目も美しいですしね。
しかも、これだけ大きな綺麗なホンジュラスマホガニー1枚板を使っているというだけで、大変価値があり、貴重なんです。
テナーウクレレで、超高級木材のホンジュラスマホガニーで1枚板で、しかもキルテッド杢のホンジュラスマホガニーを使うなんて、本当に超激レアな一本です。
1枚板なんで、音量も非常あり、そしてホンジュラスマホガニーらしい、甘く、柔らかい音色で、しかしパワフルなサウンドになってます。
しかも、製作から40年以上経過したビンテージ品なんで、枯れたホンジュラスマホガニーの音色が本当に素晴らしく、新品では味わえない熟成された音色で、心の底から癒されるサウンドになってます。
もう音色は、絶品ですよ。
本当に凄いテナーウクレレです。
次にネックですがらマホガニーを使ってます。
ネックにも、超高級木材のホンジュラスマホガニーが使われてます。
なんとも贅沢なネックであり、素晴らしいテナーウクレレです。
ホンジュラスマホガニーは、非常に硬い木材なんで、ネック反りにも安心して使える良質なネック材です。
本当に一切の妥協の無いテナーウクレレです。
凄い、の一言しか出てきませんね。
装飾も素晴らしいですよ。
サウンドホールのロゼッタには、カッコ良いセルが巻かれてます。
豪華ですね。
ボディーのバインディングには白のバインディングがトップとバックに巻かれ、トップにはバインディングの内側に巻かれるパーフリングにカッコ良いセルが巻かれ、まさに装飾も豪華絢爛なテナーウクレレです。
指板には、高級木材のローズウッドが使われてます。
今や種の保存を目的とする国際条約のワシントン条約で取引規制木材になった素晴らしい高級木材です。
このローズウッドは、高級木材で、指板材としては最高の材です。
非常に硬く、指板減りにも耐え、色が黒い為に手あか、が目立たなく、指板材としては最高の指板材なんです。
しかも、これだけ真っ黒なローズウッドは非常に上質なローズウッドです。
素晴らしい指板です。
そして、ブリッジにもローズウッドを使ってます。
素晴らしいですね。
ペグは日本のメーカーで世界的ペグメーカーのGOTOHのUPTペグを装着してます。
GOTOHのUPTペグは、あの世界的ウクレレメーカーのカマカが標準装備しているぐらい素晴らしいペグなんです。
本当に素晴らしいペグなんですよ。
見た目は、一見ギア比が1対1のフリクションペグに見えますが、実は特殊な構造になっているギア比4対1のギアペグなんです。
見た目は、フリクションペグ、機能性はギアペグという、ウクレレにとっては良いとこ取りをしたペグです。
カマカがなぜ標準装備するのか、よくわかりますよね。
このUPTペグはギアペグの為、楽にチューニングがスムーズに出来て、かつ正確にチューニング出来るので、実に便利なペグなんです。
本当に優れもののペグです。
しかし、このペグは、非常に高額で、特に高額なゴールド色のUPTペグを取り付けました。
ペグだけて、12000円ぐらいします。
結構な金額ですよね。
実はこのペグは、私が装着してもらったんです。
もともとは、グローバーのフリクションペグが装着されていたんですが、40年経過して、きしんで上手くチューニング出来なくなったんです。
そこで、見た目が良く、機能性も良い最高級のUPTペグに交換してもらいました。
UPTペグ代と、交換工賃合わせて、17000円ぐらいしました。
高額だったんですが、ナカニシの大変貴重なテナーウクレレだったんで、最高のペグを付けました。
物凄く使いやすいペグですよ。
素晴らしいペグです。
このテナーウクレレは40年以上前ですが、新品で10万で売られてましたが、現在の個人ビルダーのウクレレ価格が高騰している今なら、おそらく25万円から30万円は軽く超えていたであろう、もの凄いスペックのテナーウクレレです。
何せ、超激レアの超希少木材のキルテッドホンジュラスマホガニー単板を使っているんですからね。
本当に、ナカニシウクレレの中でも、激レアの中の激レアのテナーウクレレです。
ここで、ちょっと中西さんの説明をしますね。
中西さんは、日本で初めての全てのパーツを全て1人で作るオールハンドメイドビルダーです。
まさにレジェンドたる方です。
中西さんはマーチンモデルを得意というか専門で作ってました。
何故なら、マーチンが一時ウクレレを作らない時代があり、その時に米国のマーチンウクレレの代理店の方が日本に来て、中西さんのウクレレに感銘を受け、マーチンモデルを作ってくれるようお願いしたんです。
中西さんのマーチンモデルは、米国に輸出されてました。
マーチンの代わりに中西さんのウクレレが米国に輸出されてました。
そんな凄い方が中西さんです。
また、あのウクレレの神様、オオタサンにも、ウクレレを作ってます。
中西さんは、オオタサンさんに作ったウクレレを何本も持って行ってます。
オオタサンも中西さんを大変評価していました。
ライブではマーチンを多用してましたが、ユーチューブの動画ではナカニシウクレレを手に持っている動画もあります。
ウクレレマガジンに、オオタサンの保有ウクレレにピックアップ付きの中西さんのウクレレが掲載されますでその写真も掲載します。
中西さんとオオタサンさんは仲が良かったようで、中西さんは何本もオオタサンにウクレレを持っていったそうです。
このように、日本、そして米国でも評価された稀有なウクレレビルダーだったようです。
まさに、日本ウクレレビルダーのパイオニア、レジェンドと呼べる方です。
次に状態です。
美品です。
ネック反りや、ブリッジ浮きも無く、状態は非常に良好です。
ただ、1箇所だけですが、写真に掲載しましたが、指板のすぐそばに、ヘアラインクラックがありました。
内視鏡を持っているんで、内部をカメラで見たらヘアラインクラックの裏側にはクラックはありませんでした。
ですので、表面だけのヘアラインクラックです。
このままでも、全く問題無いんですが、念の為に、ヘアラインクラックの部分に、タイトボンドに砥の粉を混ぜてスプルースの色に近いタイトボンドを作り、そのタイトボンドをヘアラインクラックに注入して、割れ止めをしっかりやりました。
さらに念の為に、ヘアラインクラック部分の裏側に、マホガニーの薄い板をタイトボンドで貼り付けて、裏側にも念の為の割れ止めをやりました。
タイトボンドというのは、個人ウクレレビルダーも使う品質の良い木材用のボンドです。
何度も言いますが裏側には、クラックは無かったんですが、念には念を入れての割れ止めです。
表面だけのヘアラインクラックにこれだけしっかり割れ止めをやっておけば、今後このヘアラインクラックがウクレレに悪さをすることはないです。
しかも、そばには、ブレーシング、いわゆる力木という補強材も入ってますので、なおさら大丈夫です。
ご安心して使っていただけると思います。
ヘアラインクラックの補修部分を写真で掲載してますので、ご確認してください。
あとは、40年以上前のウクレレなんで、それなりの使用感はあります。
他は、指摘する点はありません。
付属品には、12000円ぐらいで以前に新品購入した、写真のテナー用のハードケースが付きます。
テナー用のハードケースは、サイズが大きい為、高額になりますので、最初から付属しているのは、大変お買い得だ思います。
もちろん送料は無料です。
日本のウクレレの歴史に残るレジェンドビルダーの超激レアで、物凄いスペックの作品です。
よろしくお願いいたします。
上記の写真は、ウクレレマガジンの第2号に掲載されているオオタサンの特集記事の一部です。
オオタサンさんも、中西清一さんのウクレレが好きだったんですね。
あのウクレレの神様オオタサンさんが認めた、大ビルダー、それが中西清一さんです。
なぜ、オオタサンさんがウクレレの神様と言われるかというと、オオタサンさんは今のソロウクレレを確立した偉大な方だからです。
もちろん、ウクレレの演奏は上手いし、作曲もできる。
オオタサンさんが若い頃は、ウクレレはフラダンスの伴奏楽器で、ポロンポロンコードを鳴らす楽器でした。
しかし、オオタサンさんは、ウクレレにもドレミファソラシドの音階があり、メロディー弾きだって出来る、とソロウクレレを始めたんです。
やっぱり、楽器を弾くなら、メロディーを弾きたいのは当然ですよね。
オオタサンさんが確立した、メロディーを弾くソロウクレレを進化させたのがジェイクシマブクロさん。
このようにして、今のウクレレが1楽器として認められた経緯があります。
今たくさんの人がウクレレを習ってます。
これは、ひとえにオオタサンさんがウクレレを一つの楽器として、世界に認知させてくれたからです。
中西清一さんは、その偉大なるウクレレプレイヤーであり、作曲家のオオタサンさんから絶大な信頼を得た方です。
そんな、名工が製作したウクレレが、このウクレレなんです。
よろしくお願いいたします。