ヴェルディ:
歌劇『アイーダ』 全曲 3CD
アーノンクール指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
アルノルト・シェーンベルク合唱団
ガイヤルド=ドマス、
ラ・スコーラ、
オルガ・ボロディナ、
トーマス・ハンプソン、
サルミネン、ほか
ブックレット仕様盤
アイーダ・トランペットなど、様々な特殊楽器の復元サウンドに加え、アーノンクールならではの深読みによるオーケストレーション解題ともいうべきスタンスが、まったくユニークなアイーダをつくり出しています。
自身、「ヴェルディのスコアには凱旋する象がいるのではなく、柔らかくささやくサウンドがある」と語っているように、力とカンタービレの象徴としてではなく、ヴェルディ晩年の豊穣な語彙が結実した作品として、慎重に取り組まれた問題作です。(HMV)
このオペラに慣れ親しんだ人ほど、アーノンクールの演奏からは大ショックを受けるだろう。かつて、古代エジプト王宮の秘儀がこれほど神秘的に表現されたことがあっただろうか。アイーダ、ラダメス、アムネリスの三角関係の心理がこれほど刻明に描かれたことがあっただろうか。ときにはバロック・オペラのようなノン・ヴィブラート奏法のソロを使ったり、ア・カペラをグレゴリオ聖歌のように響かせてみたり…。
ヴェルディが「アイーダ」に求めたのは忠実な古代エジプトの再現(不可能!)ではなく、音楽におけるエキゾチシズムだとすれば、聴き手の想像力を刺激するあらゆる方法が許されていいはず。だから、掟破りの古楽奏法もありなのかもしれない。イタリア風に炸裂する推進力はないかわりに、アーノンクールの解釈では、いたるところに死の香りが漂う。本来「アイーダ」とはそういうオペラなのだ。
なおヴェルディが作品の上演にあたって使用を望んだが、第2次世界大戦で消失したといわれるヴェローナ製特注アイーダ・トランペットを復元させた「凱旋行進曲」は、完全にアーノンクールの音楽になっていて、これもファンにはたまらないだろう。ガイヤルド=ドマスの可憐で情熱的なアイーダ、ボロディナの威厳たっぷりのアムネリスという強い2人の女に、ラ・スコーラの軟弱なラダメスという対置も何だか現代的でおもしろい。(林田直樹)
ヴェルディ:
歌劇『アイーダ』全曲
クリスティナ・ガイヤルド=ドマス(アイーダ)
ヴィンツェンツォ・ラ・スコーラ(ラダメス)
オルガ・ボロディナ(アムネリス)
トーマス・ハンプソン(アモナスロ)
マッティ・サルミネン(ランフィス)、他
アルノルト・シェーンベルク合唱団
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ニコラウス・アーノンクール(指揮)
録音:2001年1,3,4月(デジタル)
ブックレット仕様盤。
コンディション良好。
※ブックレットのポケットにCDを収納する形態のため、盤面に若干のスレを生じている場合がございます。
再生に影響するものではございません。
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