御存知! 名手Todd Rundgren制作 Grand Funk 改名第一弾 大傑作「We're An American Band」 日本独自リマスター紙ジャケットプラチナ素材仕様限定盤 国内盤未開封新品でございます。
そもそも本国マスターテープのデータ化に伴い、日本で独自企画が為された感が有るこのプラチナ素材CDシリーズ。
プラチナ素材を使用したCDで日本独自リマスターの模様。
現在主流のフラットマスタリング方式で日本特有の高音中心で幾分杓子定規的ではございますが、アナログ感が有り非常に良心的な音質となっております。
内容は言わずもがな。
ラインナップは中期名手カルテット編成。
Mark Farner(G、Key、Per、Vo)、Don Brewer(Ds、Vo 後にBob Segar & the Silver Bullet Band)、Mel Schacher(B)、Craig Frost(Key、後にBob Segar & the Silverbullet Band)となります。
プロデュースはかのTodd Rundgrenでエンジニアも兼任。
1973年6月12~15米国フロリダ・マイアミ”Criteria Studios”での制作となります。
1965年結成のTerry Knight & the Packが母体となるバンド。
Mark Farnerの離脱等と変遷を経て二作他を制作。小規模の成功を収めるものの、Terry Knightがソロとして独立。
バンド名を変えDon Brewerを中心に建て直しを図るものの上手く行かず紆余曲折を経る中、ソロとしての活動に行き詰まったTerry Knightにビジネス面でアプローチ。
Terry Knightがマネージャーとして就任し、Mark Farner再合流を経て活動開始。
デュオ名義でシングルリリース等活動するも不発。
本格的に新バンド構想に着手する事となり、Mel Schacherをスカウト。そして制作した録音物をTerry Knightが”Capital Records”に売り込みをかけ、
当時英国を中心としたアートロック系の台頭から、契約を獲得する事となります。
そしてバンド名を”Grand Funk Railroad”と改め、デビュー作制作。
リリース後は大反響を呼び、チャートアクション/セールスがかなりの好調を見せ、ライヴも豪快系で大好評。
後にかのLed Zeppelinの前座を務めるものの、主役を凌駕する程の反響を得る事となります。
大反響を鑑み、半年後には次作を制作・リリース。
その後も半年毎に立て続けに新作をライヴ盤含め5作制作・リリースしツアーを繰り返す、という正気とは思えぬ活動を行います。
大きな成功を収める事となりますが、バンドは疲弊。
またバンドはTerry Knightの金銭に絡むマネージメント運営に不信を抱く事となります.......
摺った揉んだの末、(バンドとしては不本意な結果に終わったにせよ)Terry Knightと決別。
その後前作に参加した名手Craig Frostを加入させ”新体制を構築、Grand Funk”と改名。
名手Todd Rundgrenを迎え新作に乗り出す.............という経緯がございます。
さて今作。
豪快系アメリカン・ハードとも称されるこの”Grand Funk”ではございますが、”Grand Funk Railroad”当初から案外なメロディ重視。
音楽性の豪快さの裏に演奏の巧みさやコーラスワークという武器そしてメロディ重視が有り、また当時のブリティッシュ・ロック/アート・ロック系の影響や憧れが窺える音楽性でございました。
そもそも名手揃いで演奏面重視。
楽曲の長尺化が窺えますが、意外なコンパクト感がミソという音楽性でもございます。
バンド音楽性のポピュラー化を図る為にTodd Rundgrenをプロデュースに迎えたとは言われる今作は、ブリティッシュ・ロック/アート・ロック系影響下という感。
演奏面に絡む装飾性を削るコンパクト化が為されておりますが、正直ポピュラー面のみならずアート感をバンド側がそもそも指向しており、
自身もミュージシャンでアート/ポピュラー系、隠れハード・ロッカーとしても知られるTodd Rundgrenに指南を求めたという感がございます。
正直以前プロデュースを担当したTerry Knightは音響制作面で古さを感じられる感。
録音制作機器の向上が急激に進んだこの時期。
Terry Knightのプロデュースが嘗てのブルーズ系の録音制作と似た感が有り、(後に金銭面を巡りバンドと対立する事となるTerry Knightではございますが)音楽面ではここから対立点となっていった感が窺えるもの。
かの第二期Jeff Beck Groupの二作目でのJeff Beckと名手故Cozy Powellを含めたバンドの対立点と似た感がございます。
また、バンド側は1st以降当時のブリティッシュ・ロック系のアート感を重視していく感が有り、豪快なアメリカン・ハードの音楽性を求めるTerry Knightと溝が出来ていった感。
今作では音響制作面のみならず、コンパクトでありながらもPink FloydやUriah Heep的な楽曲等々とブリティッシュ・ロック/アート・ロック系を彷彿とさせる音楽性が強く感じさせ、
Todd Rundgrenの手腕を借りて、バンド音楽性の発展を図った感がございます。
Todd Rundgrenは昔気質のミュージシャン/プロデューサー。
自身の主観からバンドの音楽性を「こうあるべき」と介入する事で知られ、過度の介入を嫌うミュージシャンとは対立する(XTCのAndy PartridgeやCheap Trick等)感がございますが、
ここではバンド自身が音楽性の発展に指南を求めている事があり、それが上手く行った感がございます。
リリース後は大反響。
以前よりも大ヒットを記録。ツアーも好評。(前マネージャーとのトラブルを越え)災い転じて福と為す、とバンドは順風満帆となります。
次作も今作同様Todd Rundgrenをプロデューサーに起用。こちらもかなりのヒットを記録する事となります............
されど、成功と裏腹に度重なる制作・ツアーでバンドの疲労が蓄積してきており、徐々に創作面に影を投げ掛けていく事となります.................
この機会に是非。