title通りのアサヒグラフ別冊『戦中戦後紙芝居集成』です。
■該書は表紙に散り嵌められた処の魅せられし紙芝居資料・その他episodeが膨大過ぎて、迚も写真枠で紹介し切れません。中には作画の構成力が秀逸で、下手な漫画家や美術館著名絵画を圧倒します。
■私のEpisodeは横濱での紙芝居ですが、『月光仮面』等の語り口はピカ一だったものの、鬻ぐ親爺が吝嗇で、黒い手垢で薄汚れた穢い容器に入った、ドロっ洟の様なトロトロのお酢昆布や、得体の知れない、真っ赤っ赤な梅ジャム擬きが付いた、薄いmilk煎餅等の商品を買わないで距離を置いて只見して居ると、『こら見るな!。あっちへ行け!』と恫喝投石され、徹頭徹尾掃討される始末。良家の子息の母親からは禁猟区扱いでして、『あんな汚い菓子は買ってはいけません!。見たいなら遠くから双眼鏡で見なさい!』と警鐘を鳴らして居ました。勿論私は汚いのはお構い無しで、口角紅く染めて最前列でオジサンの話芸を愉しんで居ました。確かにオジサンの身形は浮浪者同然で、アンモニア臭すら漂ってましたが…。(笑)
別の紙芝居屋の親爺は商品買わずとも只見OKの処も有りました。太っ腹でしたね。が併しNarrationは上手く無かったかなぁ~。同じ『月光仮面』を演らせても何だか弱々しくて迫力不足でしたね。(笑)
●縦30㎝。横23.5㎝。厚み2.8㎝の大型本です。
●綺麗な保存状態ですが、頁の隅が1.5×3㎝の三角大に欠けてる箇所が2枚有ります。
●該書は永久保存版にしても良い資料です。
●私と同じ世代なら、繙いて涙が出ます。
●全338頁。書き込み有りません。
●定価は2700円。出品で付けた値段が馬鹿らしいと思われる向きは何卒回避下さい。
●私の自己紹介欄もお読み下さい。
(2024年 6月 23日 7時 22分 追加)■懐かしさ序でに書きますと、如上吝嗇な親爺の商品の一つに、4㎝四方に固めた白いラムネ菓子の様な厚さ8㎜程の硬板を、金属製のペン先で割れない様に傾注して穴を穿ち、見事小指を貫通させたら、梅ジャム擬きを接着剤代わりにして造形したMILK煎餅で、『Mickey Mouse』を象った物が贈呈されると云う、子供の努力や熱意を最後まで見届けて拍手喝采する、「親爺の親心」が窺い知れるものが有りましたね。
■また該書とは関係有りませんが、公園に集まる子供相手の商売に、黒々とした泥土を捏ねた「粘土細工屋」が有りまして、皇居二重橋・姫路城・獅子・猛虎・真鯛、将又月光仮面等を象った薄褐色の素焼きの形に粘土を押し込んで、形から取り出した粘土に、別売りの飲薬みたいな新聞紙に包まれた金銀青赤黄緑等々の色粉末を、同心円状に色分けして塗布し【視覚効果】を競わせるものが有りました。夫々が完成した段階で親爺が品評会、其の等級に応じて小さなお御籤大の茶色いボール紙に、特等一等二等三等が印字された物が賞与され、子供に「優勝劣敗を味合わせる」と云う商売。懸賞品は好きな素焼きの形を各自選ばせる仕組み。私は常に劣敗で、完成した物が親爺の拳で無惨にも「ぐにゃ」と潰される運命でした。
「糞ぉ〜ッ!、忌々しい…」(苦笑)