廃盤
11CD
完全限定発売!!
チェリビダッケ
&ロンドン交響楽団
《レコーディングス1978-1982》
幻のコンビによるステレオ・ライヴ11枚組!
かのカルロス・クライバーも憧れ、その音源を収集していたというカリスマ指揮者、チェリビダッケの貴重な録音集。
チェリビダッケが1978年から1982年にかけて、ロンドン交響楽団とロイヤル・フェスティヴァル・ホールでおこなった演奏会の音源をCD化したファン垂涎の貴重な11枚組ボックス・セット。
ミケランジェリとのラヴェルも絶品!
エネルギッシュでありながら緻密でもあった60代後半のチェリビダッケが、機能性抜群のロンドン交響楽団と組んだ演奏の数々はどれも見事なもので、冒頭の『運命の力』序曲からしてその表現のワイドレンジなことには驚くほかありません。『ロメオとジュリエット』の「タイボルトの死」におけるめくるめくスピード感と死の恐怖もなんとも凄まじく、一方、ミケランジェリとのラヴェル第2楽章では繊細さの極限を示した耽美的な演奏を聴かせてくれるのです。
中でも凄いのは『魔法使いの弟子』でしょう。冒頭から遅いテンポ設定に少なからず驚かされますが、そこで克明に印される細部音型のおもしろさ、細心の注意を払いつつ取り出されるニュアンスの豊かさは、まさしくこの指揮者ならではの表現。通俗的な描写音楽とみなされがちなこの作品の概念をはるかに上回る多種多様な情報量とデリケートな美的感覚は圧巻で、音楽が高潮するにしたがって無制限とも思えるほどにふくれ上がり、空前といいたくなる巨大なスケールに達するあたりはもはや絶句するほかありません。会場のナチュラルな響きを収めた良好な音質もてつだって、他のどんな演奏からもまず絶対に聴くことができないであろう素晴らしくユニークな名演を堪能することができます。
ラヴェルのピアノ協奏曲も絶品です。相性がよかったミケランジェリとチェリとのコンビは来日公演などでもよく知られるところ。共演者の選択には極端なほど厳しかったことで有名なこのふたり、おたがいに孤高と称された唯美主義者どうしの共演は、ここでも他の組み合わせからは想像できないユニークな美的境地を達成しています。とりわけ第2楽章は、両者の“音”に対する鋭敏なセンスを如実に感じさせるみごとな演奏で、細部まで目の行き届いたオーケストラのコントロールぶりをみせるチェリの伴奏、極度にクリアで、しかし脆弱さを感じさせないミケランジェリの端然とした音色が一体となった、きわめてデリケートな感覚美がたまりません。
プロコフィエフの交響曲第5番も聴きものです。終楽章は、指揮者の技量とオーケストラの性能を示す絶好の場であるだけにさまざまな熱演、力演がありますが、そんな場所でもチェリビダッケは豊富なニュアンス表出を怠りません。いちどその多彩をきわめた演奏の味を知ってしまうと、他の演奏はいかにも無味乾燥もしくは品のない空騒ぎに聴こえてしまうほど。ロンドン響の大奮闘ぶりもみごとなもので、特にクラリネット・ソロの巧さは聴きどころです。
この時期のチェリビダッケは頻繁にロンドン交響楽団に客演、1980年には来日公演も実施され、当時はまだ“幻の指揮者”とされていたチェリビダッケの類まれな芸術を伝える名演と絶賛を博したこの一連の演奏は、FM放送を通じて全国のクラシック音楽ファンに驚くべき感銘を与え、なかば伝説化していることはよく知られているところです。
チェリビダッケの真価をわが国に広く伝えたロンドン交響楽団との共演も、ほどなくチェリがミュンヘン・フィルへ転出して途絶えてしまい、もとより“録音嫌い”のチェリゆえレコーディングを残したはずもなく、その見事な共演ぶりを知る人は、公演会場に居合わせたひとにぎりの聴衆とFM放送でドギモを抜かれたリスナーのみ。
いわばこのコンビ自体が“幻”となってしまっていただけに、今回のリリースは大きな注目を集めることは必至、しかも、これほどの物量が一挙に世に出るとなれば、これはもうファンならずとも見逃せないところでしょう。
CD:1
・ヴェルディ:
歌劇『運命の力』序曲(1978年4月11日)
・ヒンデミット:
交響曲『画家マチス』(1978年4月11日)
CD:2
・プロコフィエフ:
組曲『ロメオとジュリエット』(1978年4月11日)
CD3:
・ブラームス:
交響曲第3番 ヘ長調 Op.90(1979年5月31日)
CD4:
・ブラームス:
交響曲第1番 ハ短調 Op.68(1979年5月31日)
・ブラームス:
ハンガリー舞曲第1番(1979年5月31日)
CD5:
・シューマン:
交響曲第2番 ハ長調 Op.61(1979年9月18日)
・ラヴェル:
スペイン狂詩曲(1979年9月18日)
・ドビュッシー:
牧神の午後への前奏曲(1979年9月18日)
CD6:
・ワーグナー:
歌劇『タンホイザー』序曲(1979年9月18日)
・モーツァルト:
交響曲第38番 ニ長調 K.504『プラハ』(1979年9月21日)
・シベリウス:
伝説(1979年9月21日)
CD7:
・プロコフィエフ:
交響曲第5番 変ロ長調 Op.100(1979年9月21日)
・ティペット:
歌劇『真夏の結婚』から『典礼の踊り』(1980年10月4日)
CD8:
・ドビュッシー:
『映像』から『イベリア』(1980年10月4日)
・ムソルグスキー:
組曲『展覧会の絵』(1980年10月4日)
CD9:
・コダーイ:
ガランタ舞曲(1980年4月13日)
・ラヴェル:
組曲『マ・メール・ロア』(1980年4月13日)
CD10:
・ブラームス:
交響曲第1番 ハ短調 Op.68(1980年4月13日)
・デュカス:
交響詩『魔法使いの弟子』(1982年4月8日)
CD11:
・ラヴェル:
ピアノ協奏曲 ト長調(1982年4月8日)
・フォーレ:
レクイエム(1982年4月8日)
コンディション良好。
※紙内袋の白地部分に経年のシミが見られます。
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