
ぼくは覚えている (エクス・リブリス) /ジョー ブレイナード, 小林 久美子(白水社,2012年)
単行本,19cm : 254ページ
ISBN-10 : 4560090254
ISBN-13 : 9784560090251
「私がこれまでに読んだすべての作品のなかでも、滅多にお目にかかることのない〈完全にオリジナルと呼べる作品〉の一つである。」ポール・オースター
「いまここにないものを思い出しているのか、それともいまここにあるものを凝視しているのか。様々な細部が同じ形式でひたすら列挙(あるいは陳列)されることによって、過去と現在の区別が揺らぐのである」(訳者あとがきより)
「ぼくは覚えている。まだるっこしいことは抜きにして、とにかく好きな男の子のもとに直行して、「家に来ないか」と言おう、と決心したことがあったのを。やってみたけれど、うまくいかなかった。例外は一度だけで、相手は酔っぱらっていた。朝になると、キリストの絵はがきの裏に「愛をこめて、ジーザス」というサインをのこして消えていた。アレン・ギンズバーグの友人だと言っていた。」(本文より)
一九五〇年代のオクラホマ州タルサでの少年時代と、当時のポップ・カルチャーにまつわる有名芸能人(ジェームズ・ディーン、マリリン・モンローなど)や商品名をめぐるさまざまな記憶が、「ぼくは覚えている」で始まる文で次々と書き綴られる。一見とりとめなく、気まぐれに、しかも徹底的にモノの細部にこだわった表現からたちのぼるのは、人生そのものの多様さだ。「何かしら自分ではない別のものの力によって書かされた気がする。一つの記憶から奔流のごとく別のさまざまな記憶が湧き出てくるようだった」と作家自身が言うように、連想が連想を呼び、純粋に楽しみながら書いたことが伝わってくる。
作家は六〇年代初頭より美術家として創作活動をニューヨークにて開始。コラージュ、油絵、水彩画、アッサンブラージュ、イラストなど多岐にわたる作品を残し、詩人たちとの交流も深かった。九四年、エイズで他界。九五年、ポール・オースターがペンギン版の再版で、「完全にオリジナルと呼べる作品」と賞賛し、ふたたび大きな注目を集めた。作家の記憶に触発されて、読者はそれぞれの記憶を呼び戻し、みずみずしさを感じることだろう。[原題]I Remember
_____________________________
コンディション:全体的に概ね良好な状態です。
商品管理のため画像に付箋が映っている場合がございます。
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
※商品についてのご不明な点等ございましたら商品ページの質問よりお問い合わせお願いいたします。
[落札後のご連絡につきまして] 落札商品の画面から→取引連絡をクリックしていただいて
→取引ナビのほうで取引メッセージをご確認いただけます。
※落札後のご不明な点なども気軽に取引メッセージを使用していただきますと迅速に対応できるかと思います。
◆土曜日夜間、日曜日、祝日の落札後のご連絡は、月曜日になる場合がございます。