自宅保管の品です。大変美品ですが古いものですので、表紙など若干の経年変化はございます。ご理解頂ける方にご検討をお願い申し上げます。
山口百恵: 赤と青とイミテイション・ゴールドと
無数のアイドルが生まれては消えゆくなか、なぜ私たちは、彼女だけは忘れられないのか――。芸能界デビューから40年。膨大な文献と資料から、本人と関係者の発言を徹底収集。「伝統」と「革命」を同時に達成した、歌謡史上の奇跡「山口百恵」とその時代を活写した画期的評伝!
序章 前史/ 第1章 「スター誕生!」/ 第2章 デビュー/ 第3章 「ひと夏の経験」と「伊豆の踊子」/ 第4章 女優開眼/ 第5章 横須賀ストーリー/ 第6章 二つの人格/ 第7章 十九歳での頂点/ 第8章 恋人宣言/ 第9章 伝説から神話へ
登場する方々
伊藤蘭 田中好子 阿木燿子 宇崎竜童
三浦友和 ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
森昌子 桜田淳子 宇津井健 荻田光雄 阿久悠
沢田研二 鬼沢慶一 松田聖子 久世光彦
ホリプロ RCサクセション 井上陽水 篠山紀信
美空ひばり 石川さゆり 和田アキ子 酒井政利
ピンクレディ サンミュージック 筑紫哲也
原田真二やチャーとたまに飲んでる
谷村新司 さだまさし キャンディーズ
中森明菜 三國連太郎 吉田拓郎 小椋佳
浜田省吾 来生たかお 大林宣彦 渡辺晋
松田優作がやってられないと降板直訴
レビューより
当時の賞レースの様子やデビューから引退までの模様が詳細に書かれていて、とても良かったです。アイドル本にありがちな妄想やゴシップや思い込みなどが一切なく、資料やデータ、発言等に基づいて歌手として及び女優としての山口百恵の活動が書かれています。
そして単に彼女の活動の記録だけでなく当時の歌謡界状況や芸能事務所の裏話や関係者スタッフの試行錯誤等も書かれていて非常に興味深い内容となっており、500ページくらいあるのに一気に読んでしまいました。
私は山口百恵より4歳年上で現役時代のファンではあったが、芸能界の事情にはほとんど関心もなく、特に日本テレビとナベプロの確執などほとんど知らなかった。そんな私からすれば知らない事ばかり書かれている画期的な本である。
特に興味深かったのは、日本テレビの井原プロデューサーがピンクレディにレコード大賞(TBS主催)を取らせるための工作の凄まじさである。
ピンクレディのラスベガス公演は井原プロデューサーが企画して日本テレビで放送されたにもかかわらず、そのスタッフはTBSの社員だったのだという。もちろん公然と「賄賂」を渡すための仕掛けである。その甲斐あって、77年には歌唱賞5人の中からレコード大賞を選ぶという制度が、78年には金賞10人の中からレコード大賞を選ぶという制度に変更された。これはピンクレディにレコード大賞を取らせるための布石である。
歌唱賞をピンクレディに取らせるのはかなりの無理があるが、金賞なら問題なく取らせることができる。そして予定通りにピンクレディは金賞を取り、レコード大賞もとった。
沢田研二・山口百恵・ピンクレディの三つ巴の戦いの行方をハラハラしながら見守っていた私は、いい面の皮だったわけだ。では何故井原プロデューサーはそこまでしてピンクレディにレコード大賞を取らせたかったのか?それは本書を読んでのお楽しみ。
ファンのみならず時代背景をトータルで伝える名著。ただの芸能人本ではありません。ページ数も多く、読みごたえあり。とにかくいろんなエピソードが満載で、それも記憶に頼るものではなくキチンと関係者の著作や新聞・雑誌のインタビューなどから発言を引用してそれを客観的に分析しています。