御存知!Merctful Fate再結成の前提となる作品 Zoser Mez唯一作 隠れ名盤「Vizier of Wasteland」ボーナス楽曲5曲付 輸入盤中古でございます。
盤共に非常に状態の良い中古でございますが、CDジャケットに輸入盤特有のCDジャケット支え部による傷みが二ケ所ございます。
今作は2007年ギリシャの”Supreme Music Creations”からの再発盤となります。
内容は言わずもがな。
ラインナップは名手揃い。
Hank Shermann(Hank Shermann(G、現Mercyful Fate/Force of Ten、ex-Fate)、Michael Denner(G、ex-Mercyful Fate)、
Kenny Lubcke(Vo)、Claus Weiergang(B)となります。
尚ゲストとして、Bjarne T.Holme/Kim Hageman(Ds)、Yenz Cheyenne/Berthel(Vo)の参加がございます。
ボーナス楽曲5曲には、Morten Nielsen(Ds、新規デモ録音二曲のみ)の参加がございます。
プロデュースはバンド自身。ミキシングはHenrik Lund(Mercyful Fate、Silver Mountain、Fate、Pretty Maids等手掛ける)となります。
1990年春/秋デンマーク・コペンハーゲン”Easy Sound Recordings”での制作となります。
1981年かのKing DiamondとHank Shermannが中心となり、かのMercyful Fateが結成。
1982年9月独立系レーベルにてEP”Mercyful Fate”を制作。Judas Priest/NWOBHM系ヨーロピアン・オカルト/アングラHMの音楽性が注目を浴びる事となります。
またかのBBCからお呼びが掛かり、1983年3月スタジオ・セッションが放送され、大きく注目を浴びる事となります。
そしてかの”Roadrunner”レーベルと契約。同年7月にデビュー作”Mellissa”を制作となります。
安普請制作ではあったもののリリース後は英国/ヨーロッパ・アンダーグラウンド圏中心に結構な反響を呼び、ツアーに勤しむ事となります。
オカルト演劇感を加味したツアーも反響を呼び、翌年5月こちらも傑作と名高い”Don't Break the Oath”を制作。
カルト的な成功を二作にて収める事となります。
されど音楽性の中心たるKing Diamond/Hank Shermannが対立。
音造りを含めた洗練された八十年代的なモダンな音楽性を指向する事は一致していたものの、
よりオカルト的でヘヴィな音楽性を指向するKing Diamondとメロディアスでポピュラーな音楽性を指向するHank Shermannの溝は埋められず、バンドは発展解散の道を選ぶ事となります。
King Diamondは自身の名を冠した新バンド”King Diamond”、そしてHank Shermannは”Fate”を結成する事となります。
それぞれが活動に勤しみ、それぞれが傑作と名高い作品を二作制作するものの、前者からはツアーによる疲弊からMichael Dennerが離脱。
後者はHank Shermann主導のバンドではあったものの、他のメンバーそもそもがその類の音楽性に長けている事や作曲能力の大幅な向上があり、
音楽的居場所が急激に狭まり主導権が弱まっていく事となり、Hank Shermann自身が脱退と相成ります。
その後、Hank ShermannとMichael Dennerが合流、”Labina”なるバンドを結成。1989年”Zoser Mez”と名を改め、本格的に契約獲得に乗り出す事となります。
1991年春にデビュー作制作に乗り出し、途中メンバー変遷を経つつ一応完成させる事となりますが契約が得られず。
同年秋ヴォーカリストがKenny Lubckeに固定した事を機に、先の録音物を基に再制作。
ギターのリズム・トラックを全て、ソロ等々やベースを部分的に、そしてヴォーカルを差し替え(前任二名の録音も使用)を行い完成に至るものの、
最終的には自主レーベルからのリリースを余儀なくされる..............という経緯がございます...........................
さて今作。
ヴォーカリストが普通という事でKing Diamond抜きのMercyful Fateとの評価がございますが、King Diamondの不在がミソでございます。
オカルト色抜きでおどろおどろしい音楽性がないもので、正直高品質なJudas Priest系正統/伝統系ヨーロピアンHM。
ヘヴィなリフにメタル・グルーヴ重視でありながらもメロディ重視。またMercyful Fateにあった変拍子を生かしている事がミソでございます。
(かのLed Zeppelinに似た変拍子グルーヴ感やリフも..............NWOBHMシーンでもカルト人気であった”Captain Beyond”変拍子重視大傑作1stのリメイク楽曲も...................................)
またHank Shermannが”Fate”で指向した洗練メロディアス/ポピュラー感が生かされており、不思議なメジャー感がミソでございます。
似た時期に制作されたかの”Armoured Saint”の大傑作”Symbol of Salvation”と似た音楽性という所が興味深いもの。
現在の編成ではそのArmoured Saintの名手Joey Vera(B)がゲスト参加している事があり、非常に興味深いものでございます.......................
Mercyful FateやKing Diamondに関しては「音楽性は良いがKing Diamondのヴォーカルとオカルト嗜好がちと.....」と敬遠する向きがございますが、こちらは音楽性も含め真面でございます。
(事実「物は試し」とMercyful FateのCDを購入し夜中に試聴したところ、急に吐き気を催しトイレで吐いてしまい、翌日中古店に売りに行ったという方がおられます..........それ以来敬遠しているという..............何かねぇ..............
King Diamondのヴォーカルは「車に○ピー!」と同じと笑う方も.............Mark Slaughterも同じだ!とか...................何かねぇ......................
かの巨匠Alice CooperもKing Diamondの極度なオカルト嗜好に「あの男は大丈夫なのかね...........」とも..................................
某バンドには「バー○ーキングでディナーのKing Diamond」と揶揄されておりましたが.............................あのねぇ.............)
八十年代後半からスラッシュ・メタルやオルタナ/グランジの台頭があり、正統/伝統系HMが追いやられていく事となります。
今作が自主制作のみリリース。今バンドも短期間のライヴ活動で消滅した事からも窺えるものでございます...............................
1993年にKing Diamondが自身のバンドと並行する形にて”Mercyful Fate”を再結成する事に同意する事となりますが、自主制作とは言え今作の出来が絡む感がございます...............................
ボーナス楽曲はデモ録音五曲(オリジナル・リリース時に加えられていた”Mercyful Fate”のカバー楽曲が削除されている事が玉に瑕ではございますが......)。
1991年11月同スタジオでのインスト楽曲”Land of Goshen”、1992年にスタジオ入りし録音された二曲のうち”Destiny”を収録がミソ。
2nd制作を見越し(配給含めた)本格的契約獲得の為に録音された感がございますが、”Mercyful Fate”再結成企画が本格的に立ち上がる事になりお蔵入りとなった感がございます...............
されど、Mercyful Fate色が非常に強いヘヴィな音楽性が興味深い所。
ここからMercyful Fate再結成へKing Diamondにアプローチとなった感がございます............................
Missing Link、歴史に埋もれた音源とでも申しますか....................今作自体もそうでございますが..............................
現在では入手が困難。この機会に是非。