東京美術学校西洋画科の1927年の卒業生によって結成された美術団体「上杜会」のメンバー池田幸太郎が第八回展（1934年）に出品した希少な作品です。「上杜会」は東京美術学校始まって以来の「秀才揃い」と称された西洋画科の1927年の卒業生ら44人（中途退学者を含む）によって結成された美術団体です。メンバーのうち、牛島憲之（岡田教室）、小磯良平（藤島教室）、荻須高徳（藤島教室）の3名が文化勲章を受章。一年次の石膏デッサンは長原孝太郎、二年次の人体デッサンは小林萬吾が担当し、三年次からは藤島武二、岡田三郎助、和田英作の教室に分けられました。

作品サイズ：15.6cm×22.7cm。額サイズ：28.7cm×35.4cm×4.5cm。作品全体に経年感はありますが傷みはなく良好な状態です。額は全体に経年の汚れ感とヤケのほか部分的なスレやアタリ、浮彫装飾の一部分に欠損などありますので掲載の画像でご確認ください。なお古い額のため前面にガラスはありません。発送は佐川急便（送料着払い）とさせていただきます。

商品説明に真作保証と記載のない作品は模写作品として出品しております。また、評価＝新規の方や評価に「落札者都合による落札拒否」の事歴が多い入札者は終了前に入札を削除いたします。また、海外へ転売するために落札する業者または落札代行業者の方とは取引きいたしません。落札終了後は取引メッセージを通じて連絡いたしますが、落札日から3日以内に落札手続きがない場合は次点の方を繰り上げさせていただきます。落札しておいて連絡も手続きもしない方は、ブラックリストに登録しますので、当方への入札は以後できなくなります。非常識な低い入札額で終了しそうな場合は、終了間際に出品を取り消しいたします。領収書は、発行いたしません。

上杜会（じょうとかい）

東京美術学校始まって以来の「秀才揃い」と称された西洋画科の1927年卒業生ら44人（中途退学者を含む）によって結成された美術団体です。この団体名は、彼らが学んだ美術学校の建つ上野の森（杜）に由来しています。

『わが青春の上杜会―昭和を生きた洋画家たち』 2021（令和3）年1月5日～3月14日

主催：豊田市美術館、神戸市立小磯記念美術館、中日新聞社

出品作家

青山襄、石井清夫、犬丸順衛、猪熊弦一郎、牛島憲之、大月源二、岡田謙三、荻須高徳、荻野暎彦、加山四郎、小磯良平、高野三三男、小堀四郎、近藤啓二、島野重之、杉浦俊雄、染木煦、高島功、高橋弘二、永田一脩、中西利雄、橋口康雄、菱田武夫、深井修次、藤岡一、水上信雄、森達雄、矢田清四郎、山口長男

〈顧問〉

藤島武二、岡田三郎助、和田英作、小林萬吾、長原孝太郎

「大正」から「昭和」への改元は1926年12月25日のこと。翌1927（昭和2）年3月、「昭和」になって初めての春に、東京美術学校（現東京藝術大学）西洋画科を40余名の若者たちが卒業しました。「上杜会」は1927年の西洋画科卒業生全員（中途退学者も含む）で結成した級友会です。その名称は彼らの母校がある「上野の杜（もり）」に因んでいます。各自の自由な思想を尊重し干渉しない関係性をモットーに、卒業した1927年の9月には、早くも上杜会第1回展を開催します。在学中に帝展に初入選を果たした者も多く、おしなべて優秀と当初から評され、戦前には10名以上がヨーロッパ留学を果たしました。官展や在野展への参加や結成など、それぞれの道を歩みながら多くは昭和期終盤まで画家として活躍します。のちに文化勲章受章者を3名 (牛島憲之、小磯良平、荻須高徳) を輩出したことも極めてまれなことです。

1945年に終戦を迎えると、40歳代後半となっていた彼らは混迷する時代に画家としてなすべきことを今一度自らに問い直します。戦後は洋画壇の主軸を担ったり、日本を離れアメリカなど異国に新境地を求めたり、地方の美術振興に尽力したりあるいは画壇から離れ独歩の道を歩んだりしました。上杜会展は戦後一時期に中断しましたがほぼ毎年開催され、1994年まで継続しました。晩年はますます互いの活動を認め合い、また交友や消息を確認する場として、緩やかながら確かにつながっていたのです。

彼らの多くは昭和の始まりとともに画家となり、昭和のさなかに生涯を終えました。当時最もアカデミックな美術教育を受けながら、彼らの画業は千差万別です。それらを俯瞰することで、「昭和」という時代における洋画壇の一様と、画家としての彼らの生きざまが立ち現れます。「昭和」からすでに31年、平成を隔て昭和に描かれた彼らの作品を改めてみつめることで、本展が令和の時代を見通すヒントとなれば幸いです。

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